活動報告

ダイヤモンド部会(4月18日)

コロナ禍での挑戦

新美 文二氏 (株)コムライン

経営を通して大切にしたいことは何か

雇用を守るため奔走

ダイヤモンド部会4月例会では、グルメ型回転すし店、ベーカリー店、日本料理店、和カフェなどを展開するコムラインの新美文二氏に、新型コロナウイルスの感染拡大による逆風下での挑戦を報告いただきました。

今回は名古屋市緑区大高町の700坪のコムライン本社でセントラルキッチンを見学後、報告を聞きました。新美氏は「同友会のおかげで、今の私があるとつくづく思う」と前置きして、創業50年の歩みを回顧しました。

2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大で県下に緊急事態宣言が発令されると、同社各店の客足はたちまち減少。新美氏は雇用を守るために人件費の抑制、雇用調整助成金の活用とともに、運転資金の枯渇を回避するために、国の新型コロナ対策融資制度を活用して借り入れに踏み切りました。また、賃借している各店舗の家主とも辛い交渉の末、ほぼ全員から3カ月分の家賃減免の了解を取り付けました。

5月、緊急事態宣言が解除されると、6月末、前年度並みに売上高が回復し、7月末の決算では黒字を確保。新美氏は「1500名の従業員がよく頑張ってくれた。本当に感謝です」と頭を下げました。

窮地の養殖業者を支援

コロナ終息のめどが立たないなか、食材の調達先の愛媛県宇和島市の養殖業者が真鯛が売れず困っていると聞くや否や、早速同市に飛び、岡原文彰市長、養殖業者と商談。速やかに買い付けを行い、各店で「宇和島鯛フェア」を開催。青森県、三重県などともイベント開催を通じた支援に取り組みました。

一方、イートイン売上げの減少や顧客の外食離れを見込み、事業の再構築にも着手します。インターネット通販を立ち上げ、三河みりん粕づけ、海鮮お茶漬けセットなどを開発・販売。また、外出制限が厳しくなるなか、自宅でも来店した際と同等の体験ができるよう、スタジオを設けて動画の配信や、お客様が参加できるイベントを開催するなどしています。

知立市商工会会長として、知立駅付近連続立体交差事業にも取り組んでおられる新美氏の椅子は当分、温まる暇はないようです。

(株)豆福  福谷 正男