活動報告

西尾張支部例会(8月30日)

環境変化に対応できる企業づくり
~独立中小企業を目指して

黒瀬 直宏氏  (特非)アジア中小企業協力機構

黒瀬氏報告資料より

場面情報の重要性

様々な種類の情報がある中で、企業にとって最も重要なのは、現場で発生した生のデータを基にした、まだ誰も知らない「場面情報」であると黒瀬直宏氏は指摘します。

市場の基本トレンドを把握しておけば、場面情報は新しくかつ基本トレンドに即した需要の確実なものになり、また場面情報は言語化して他者に伝えることが難しいため、場面情報を掌握できれば、情報参入障壁による独自市場の構築ができるといいます。

企業が場面情報を発見できるようなシステムになるには経営幹部と一般社員、一般社員同士の情報共有を緊密化することが必要であると黒瀬氏はいいます。

働きがいのある職場に

人間が働きがいを感じるためには、自分が活動の主人公であるという自律性と、成果物の確認から得られる有能感の、2つの充足が必要です。しかし市場経済では労働力が企業へ売られ、成果物も企業のものとなっているため、目的を設定する「構想」と肉体労働の「実行」が分離されています。それ故に、社員が自律性と有能感の充足が感じられない事態になっていると黒瀬氏は指摘します。

このため、「構想」と「実行」の分離を修復する必要があり、その手段がやはり情報共有です。企業の経営理念や経営計画作成に社員が参加するなどにより、社員も「構想」を自分のものにできるからです。

中小企業の良さは経営者と社員の距離が近いことにあります。そして市場環境への適応と働きがいは、情報共有により同時に追求できるものです。今こそ、『労使見解』を深め、独立中小企業を目指そうと報告を締めくくりました。