活動報告

第22期同友会役員研修大学 第4講座(8月22日)

経営指針と自社実践

坂野 豊和氏  (株)まるは

坂野豊和氏「経営指針と自社実践」

第22期同友会役員研修大学・第4講座、坂野豊和氏の報告の概要を紹介します。

ビジョンを社員と共有

22歳の時、代表である父を手伝うため、まるはに入社。その時は課題がはっきりしていましたので、父から支配人の肩書をもらい、できることから改善していきましたが、社員はどんどん辞めていきました。後継者としての私の課題は、やがて来る本店の建て替えと、大きなエビが獲れなくなった時それに代わる名物をどうするか、でした。

建設が始まった中部国際空港に出店したいと考え、社内で「夢」を話しても社員の賛同を得られませんでしたが、同友会で相談すると「指針を作ってビジョンに盛り込め」とアドバイスをもらいました。仲間の指針書を参考にして見様見真似で作った経営指針書を社員と共有する中で、新店の店長に立候補する社員も現れ、空港とラシックの2店舗を開店しました。

そんな中で代表に就任し、入会2年目に参加した青全交の分科会で報告者に見せてもらった「パートナーカード」を私も作って社員に配布しました。自分の夢や、万博後に観光客が低迷した場合への対応、〇と▽を組み合わせた企業マスコット、などを記入しました。以降毎年、カードを更新して経営指針発表会を開催しています。

100年企業を目指して

直近の15年間で、売上げと社員数は3倍、グループ会社は6社で13店舗になりました。そんな中でコロナ禍になり、代表になって初めて赤字を出しました。補助金も大きかったですが、何よりも指針に基づく全社協力体制で乗り切ることができました。

コロナ下でも1店舗も閉めないことを目標に掲げ、新店舗、M&A、新事業などのビジョンを掲げました。ビジョンに掲げて言葉にすると、言霊のように返ってきます。南知多町豊岡にドライブイン、半田市に「ごんぎつねの湯」、常滑市に競艇場内の新店舗を開店し、新事業としてドライブインにいちご農園を開園します。100年企業を目指したビジョンを発信し、社員と共有したいと思います。

非連続の時代に対応するために指針を作成し、社員の安心のために経営者の考えを伝え、もし自分に何かあっても指針書に基づいて進めていける。そういう指針を作り、実践していきたいと思います。