世代・性別を超えた個性を生かす経営
~一人一人の可能性(タカラ)探し
関原 英里子氏 (有)京美容室(新潟同友会)
5年以内離職率9割という現実を知って
女性経営者の会「愛彩」と名古屋第4支部は合同で、新潟同友会から関原英里子氏を報告者に迎えて10月例会を開催、31名が参加しました。
関原氏は、新潟同友会に2人いる代表理事の1人です。1993年に美容室を開業、97年に法人化し、現在は3店舗で20名を雇用しています。2005年に同友会に入会する以前は、自身が育った環境のままの経営で、スタッフに対しても「技術を教えているのだから、給料が安いのも、夜中まで練習するのも、道具が自前なのも当たり前」と考えていました。
しかし、長時間・無休・薄給などの理由で入社5年以内に約9割が離職するという現実を知り、先輩会員に勧められて「経営指針を作る会」に参加。そこで「社員も人間だった」ことに気づき、一般企業並みの労働環境づくりに取り組みます。社員とのコミュニケーションを増やし、社員の現状に合わせた働き方ができるように環境を整備し、独立したい社員を支援できるようサポートできる仕組みもつくりました。
苦境脱出への取り組み
そんな中、2018年の後半からトラブルが続き、6名のスタッフに退職勧奨をしなければならなくなります。さらに19年後半からは新型コロナが襲います。
しかし、いち早く対策マニュアルを作成して業界へ配布し、安全対策にかかった金額を県や市へ情報提供。さらに、SNSで安心・安全を発信し、新事業展開やプレミアムチケット販売などにも取り組みました。そんな中で、「経営者は社員の命を使って会社を動かしている」ことに気づき、自分で働き、能動的に行動し、才能を売る社員になってもらいたい、と社員のキャリアアップを目指しています。
参加者からは「今日の気づきや学びを1つでも企業で実践していきたい」などの決意が聞かれました。