活動報告

AICL(仕事づくり研究会)10月27日

博打から投資へ
~自社の技術資産となる産学連携の始め方

山口 剛生氏、大橋 良央氏
(株)産学デザインLab.

課題の「解像度」を高め解決を実現した事例を紹介

産学連携を成功させるには

オンライン開催で約20名が参加したAICL(仕事づくり研究会)例会は、産学連携担当理事の磯村太郎氏が企画し、中小企業と大学・研究者をつないで課題解決に導くことを事業とする産学デザインLab.の山口剛生CEOと大橋良央CKOが、講演を行いました。

山口氏は、企業が新しい取り組みを行う時、活用次第で有効となるのが大学・研究者との産学連携で、最先端の技術と知識をリーズナブルに活用できる手段であると紹介。

産学連携を成功させる手順は、(1)取り組む問題点を明確にする、(2)研究テーマはある程度自社で作る(得たいアウトプットを明確にする)、(3)常に最終的なアウトプットに向けて修正し続けること。そして自社が実現したい製品・サービスの「解像度」をできるだけ高め、研究者に丸投げにならないよう主導していくことが重要だと述べました。

解決したい課題の「解像度」を高める

大橋氏は「解像度」を上げる思考方法として「醤油が美味しくない」という課題を例に挙げて解説しました。

単に「美味しい醤油を作る」と考えるのではなく、美味しくなくなる原因について「材料の大豆」「発酵のさせ方」「食事傾向の変化」「酸化による劣化」など視野を広げて考え、その中から「酸化」に着目し掘り下げることで、酸化防止の新容器が実現した事例を取り上げました。

参加者からは、産学連携は目的ではなく活用できれば有効な手段の1つであって、まず自社として課題を持ち明確化することが重要である、各社の課題を交流する中で知恵が出てきて解決へのヒントになった、などの感想が述べられました。