指針・採用・共育はなぜ必要なのか
明石 耕作氏 (株)トヨコン
熱く語れる経営理念を
人を生かす経営部門「指針・採用・共育」の支部例会として、同友会運動の3つの柱を実践しているトヨコン社長の明石耕作氏に自社での実践を報告いただきました。
同社の原点は、昭和38年、主要取引先の要請により先代の明石忠男氏が大阪から豊川へ単身移り、前身である豊川梱包工業を設立したことに遡ります。
明石氏は2003年に代表取締役に就任し、翌年に新たな経営理念と中期方針を発表。しかし、社内に十分に伝わらず、その封印を余儀なくされる苦い経験をします。明石氏はこれを契機に経営姿勢を見直し、経営者自身が心から熱く語れる経営理念の成文化に至りました。
マネジメントにおいて、緊急性は低いが重要度が高いのが企業理念の実践です。明石氏は、理念の内容そのものより社員との共有のプロセス、またその中で指針を実践することによる企業理念の達成が重要だということに気づいたと、報告をまとめました。
経営姿勢を明確に
グループ討論では、各社の「指針・採用・共育」の現状と取り組みを報告し、それぞれの現状認識を深め、今後どのように取り組みたいかを共有しました。特に指針の成文化の重要性と、それを共有する社員との関係性などに言及され、多くの参加者にとって学びのあるグループ討論となりました。
経営者が自身の経営姿勢を明確にし(理念の成文化)、その覚悟を示すこと。そして、経営者と社員が共に育つ(共育)の実践に取り組むことが、指針の実現につながると総括されました。
「指針・採用・共育」活動のオリエンテーションとして相応しい例会になったと思います。
一幸建設(株) 山本 敬輔