活動報告

共同求人委員会 -合同企業説明会

見えてきた課題
~2024年度合同企業説明会を終えて

学生に中小企業を知ってもらう場をつくる(東海テレビが取材 5月23日)

このままでは学生に会えない

4月・5月に各2日、ウインクあいちにて合同企業説明会(以下、合説)を開催し、会員企業51社が出展しました。

今回の合説では、学生に会う機会をつくることに苦戦しました。同日に行われた他の就職活動イベントも学生来場数が100名に届かない状況といい、学生がどこにもいないのです。10年前の就職活動は、自分で足を運んで情報収集するという流れでしたが、インターネットの普及により足を運ばずとも多くの情報の中から自分に合う会社が選べるという時代になってきました。選択肢も広がり、検索をかければ口コミで企業の評価も働く人の本音も分かります。

求人スタイルの大転換期

ネットで「25卒就職活動」と検索すると、「最短2週間で内定獲得」「企業からオファーが届く」「専属アドバイザーが就活を全面サポート」といった「タイパ(タイムパフォーマンス)重視」の言葉が並び、今の世の中を象徴していると感じます。また、転職についても前向きなステップアップだと謳われています。1つの会社で地道に挑戦し続ける、そんな泥臭い働き方は古いのでしょうか。

今回の合説の来場者アンケートを見ると、学生の求めるものは、やりがいや働きがいが上位を占めており、10年前とさほど変わらないように感じます。やりがいや働きがいは、働き続けて見えてくるものです。働くことを通して、社会貢献や「誰かのために」と考える学生が増えているようなので、より就職活動に真剣に向き合っている学生も数多くいます。

働くことへの本質は変わらないと思います。その中で、足を運び、自らの目で見て、対話を通じて自分の意思で企業を選択するという同友会の合説の良さを、学生のニーズに対してうまく折り合いをつけていく転換期のように感じています。

共同求人委員会に課せられたミッション

鶴田修一共同求人委員長は今年度の方針で、同友会の22ビジョンにある(1)魅力的な中小企業が身近にたくさんあること、(2)豊かな人生を送る舞台は大企業だけではないこと、(3)中小企業で働く意味は地域と国を支え創ること、を同委員会に課せられたミッションとして掲げています。

今回の合説で見えてきた一番の課題は、学生に中小企業の存在が伝わっていないことです。さらに言えば、大学だけでなく小・中・高を含めた学生生活で職業観を築くことが必要だと感じています。

学生や学校と関わる同友会活動は、各大学での講義、インターンシップ、学校訪問、学内合説、学校との懇談会と多岐にわたります。「学生を地域で育てていく」という同じ目的を持つキャリアセンターや教員の理解も得ながら、学生に直接伝える場をつくっていく必要があります。講義の場でも必ず同友会の合説に結び付けて話すなど、会員経営者として一貫性を持って同友会の意義を伝えていくことが大切です。同友会の1つ1つの活動が線としてつながるような取り組みを、来年度に向けて行っていきたいです。

企業・学校・学生に求められる合説へ

同友会で共同求人が始まって以来、50年間大切にしてきたものは、採用を通して持続可能な企業と地域をつくっていくことです。

今年度は50名を超える共同求人メンバーと共に、よりよい共同求人委員会を再考していきたいと考えています。なぜなら、共同求人委員会は学生と対面し、第一線に立って自らの言葉で中小企業の良さを伝えていくポジションだからです。

合説ブースに座る社員の皆さんの多くは、同じくこの合説で自分の将来を決めた人たちばかりです。転換期を迎え、合説が会員企業内にも学校側にも学生にも必要だとされる活動を続けていきます。