活動報告

広報部会(8月5日)

地域経済発展のために同友会運動を推進する

浅井 敬司氏  (株)浅井鋳造所

地域課題に向き合ってこそ自社のすべきことが見つかる

一挙両得の取り組み

8月の広報部会は「地域づくり1~地域経済発展のために同友会運動を推進する」をテーマに開催し、浅井鋳造所代表取締役の浅井敬司氏より報告いただきました。

鋳造業は、いわゆる3K職種といわれます。また、自社で利用している廃砂置き場から毛虫が大発生したと、市を通じて地域からのクレームが入ったこともあるなど、会社として地域との向き合い方に苦慮していたそうです。そうした中で浅井氏は「地域と共に歩む同友会」に出会い、入会しました。

あるとき浅井氏は、自社で持て余していた未使用雑種地を、「まともな芝のグラウンドがない」という地域の課題解決に活かせるのではないかと思い至ったそうです。雑草だらけの土地を整備するには莫大な費用がかかりますが、社員と相談し、ナイター設備や良質な芝を採用することで、スクールでの有料レンタルを視野に入れたグラウンドに生まれ変わらせました。

7年経った今では土地の整備費は回収できており、近隣の人から「夜道が明るくなった」と喜ばれ、クレームよりお褒めの言葉をもらうことの方が多くなったそうです。

地域優先を意識して

浅井氏は、同友会活動の中で「地域内経済循環がローカル経済を活性化する」という学びを得て、仕入れ先を同友会の会員企業に切り替えました。その結果、さまざまなコストの削減と、より良質で安価な部材入手に成功。今後も仕入先や顧客に関しても地域優先を意識し、地域内で経済を循環させ地域活性につなげていくと話しました。

浅井氏は「町工場の社長に何ができるか」を自問し、「会社だからできることがあるのでは」と考えたそうです。

自社の経営課題や資源、同友会の仲間等を通して、地域の課題を見渡した時に、そこには取り組むべき事や解決策が見出されるのかもしれません。ただ、地域課題に向き合わないことには見つからないものだとも思います。浅井氏は見つけました。

(株)職人  駒田 斉