活動報告

人を生かす経営推進部門 企業変革支援プログラムVer.2学習会・第2弾(10月16日)

社員と共に取り組み、課題を浮き彫りに

青木 義彦氏  (株)サンテック

社員が考える課題を分析し、共通課題を見定める

人を生かす経営推進部門の設営で企業変革支援プログラムVer.2学習会が開催され、27名が参加しました。6月に行われた前回に続き、企業変革支援プログラム推進担当理事の青木義彦氏より報告いただきました。

外部環境の変化に迅速に対応

経営者は、不景気での発注減や採用難による人手不足の状況など、外部環境の変化に迅速に対応していくことが求められます。その際、場当たり的な対応でなく、ある程度予測し、組織や仕組みを変えたり、業務プロセスを見直したりすることで、企業の持続的な成長と競争力を上げる取り組みが必要になります。

サンテックは組み込みソフトウェアの開発をして40年になります。この間、リーマンショック、コロナ禍、自動車業界の再編と、自社を取り巻く外部環境は絶えず変化してきたと青木氏は振り返ります。

青木氏は経営指針書を作り始めて20年近くが経過し、2017年からは社員に対して「使える経営指針書」を目指してきたといいます。社員に対し、経営指針書と乖離していた日常業務をいかに自覚してもらうか、また、企業変革支援プログラムVer.2の各ツールを活用し現状認識をすることで、社員自らが課題を発見するよう仕掛けていきました。

青木 義彦氏

Ver.2を指針書に盛り込む

同社では毎週月曜日の全体朝礼を活用し、社員それぞれが考える課題を企業変革支援プログラムVer.2の該当する項目に当てはめて報告してもらったといいます。1年間で44名の回答が集まり、分析した結果、「Ⅲ・人を生かす経営」の項目に関心が高く、その中の「④共に学び共に育つ社風づくり」に当事者意識を持っている社員が多いことが分かりました。

そのほか、「Ⅴ・付加価値を高める」「Ⅵ・企業の社会的責任」を重点課題として取り上げる社員もおり、社外に関しても関心を示す社員が増えていることを嬉しく感じると青木氏はいいます。

全体を俯瞰すると、共通課題として挙がったものは、①情報の一元化と共有、②コミュニケーションの改善、③スキルや知識の見える化、④業務プロセスの標準化と改善、だったとのことです。

長年、同友会に所属する中で青木氏があらためて気付いたことは、「人を生かす経営」を実践する難しさです。そして、環境に合わせて「人を生かす経営」のあり方も変わっていくものではないか、との考えに至ったといいます。

同友会運動に関しては、「中小企業の持続的発展が社会を良くする」と述べました。各社が顧客の期待に応えること、法改正に合わせ社内整備をすること、人材の変化に対応していくことでそれらが実現していきます。

現在の気付き、今後の取り組みを交流する参加者たち

経営談義の切り口に

グループ討論では、「Ⅲ-④共に学び共に育つ社風づくり」の項目について、これから取り組もうと決めたもの、すでに取り組んでいるものにチェックをし、現在の気付き、今後取り組みたいことを各自で自己分析シートに記入しました。その上で、なぜ課題に感じたのか、気付きを得たのかを互いに交流する中で、自社での実践につながるような討論ができました。

「企業変革支援プログラムVer.2を身近に感じることができた」との参加者の声も聞かれ、支部や地区など小単位の活動の場でも経営談義の切り口として活用することが期待されます。

11月・12月は企業変革支援プログラムVer.2の普及・強化月間となります。自社の経年変化を記録する意味でもe.doyuに登録をして、データを蓄積していただければと思います。