企業変革に取り組む地域企業の取材発表
~肌で感じた会員企業の奮闘(2)
(南尾張、西三河、東三河支部)

わが社を「目的地」に
12月広報部会では南尾張、西三河、東三河の3支部より、会員の取材内容を発表していただきました。
南尾張支部が取材した(有)紅葉屋(畑中正史氏)は美浜町で観光旅館「紅葉屋」を営んでいます。南知多への通過地点になりがちなこの地で畑中氏は「地元の食材を使い、のんびりできる目的地となろう」と声を上げ、地元民の手厚い協力を得ます。
コロナ禍で売り上げが9割落ち込む中、事業再生補助金を活用し、いちご狩り付きグランピング施設の設営を目指し、竹林の伐採を始めた時、地元の方々が協力してくれたといいます。
自動車部品から宇宙産業へ
西三河支部が取材したイセ工業(株)(秋庭新吉氏)は、自動車のマフラーが主力製品ですが、EV化の波に翻弄されました。「将来が不安」と言って退職する社員もいる中、秋庭氏は「何のために仕事をするか」と深く考えます。
秋庭氏は宇宙産業への参入を宣言し、役場の紹介を経てH3ロケットの部品の受注に成功します。やがてメディアの注目を浴び、業績も盛り返し社員の定着度も上がったといいます。
図面から納品まで一気通貫
東三河支部が取材した(株)酒井製作所(酒井悠太郎氏)は機械装置のカバーを製作する会社です。特色は一気通貫の自社製作で、お客様の大切な製品構想を図面作成から製品の完成・納品まで伴走できることです。ワンストップで完結するため、製作ノウハウもお客様と共有して唯一無二のパートナーになることができます。
永続性を大切にしており、地元民の家電の修理から遊園地のスポンサーまで密接につながり、社員は近隣市から採用してじっくり育てます。
グループ討論では「新たな市場創造」について討論。「発信することで縁がつながる」「地域とのつながりが自社を支えてくれる」「よい行動のためには経営指針が重要」などの意見が交わされました。
「集・考・伝」の難しさを知ると同時に、その効果を実感する例会となりました。
愛知自動車(株) 鈴木 良治