▼1975年『中小企業における労使関係の見解(労使見解)』が発表され、今年で50年の節目を迎えました。労使見解の成文化に至る道のりでの先輩経営者の苦労や覚悟は、同友会発行の書籍に残されています。今一度、設立の経緯から読み返してはと思います
▼『労使見解』には社内に全社一丸体制を如何にして作り上げるかが書かれていると思います。そのためには労使が全面的に合致できる目的共有が必要で、取り組むべき自社実践の形として8つの項目が定義されています。労使見解を理解するためには同友会理念「自主・民主・連帯」の深い意味と向き合う必要もあります。同友会での学びの基本は「自主・民主・連帯の精神」と「労使見解」の自社実践だと思います。節目のこの年に多くの会員経営者が同友会の本質に触れることを願います
▼私が労使見解と向き合うようになったのは12年前のことでした。すでに経営指針の社内発表は行っていましたが、社員との温度差を感じながらの日々でした。転機となったのが労使見解でした。当時、「人間尊重経営塾」という学びの場があり、そこで参加会員とさまざまな話をしました。自分の言葉から漏れ出る横柄な態度は社内でも社員にしていることに気付かされ、自身の意識改革が必要と実感した瞬間でした。それから『労使見解』を丁寧に読むようになりました。言葉1つ1つを会社の現状に重ねながら会社づくりを進めてきたおかげで今があると思います。同友会で学び実践して変わる喜びを、多くの皆さんと分かち合いたいものです。
労務労働委員長 古田 伸祐