景況調査

第107号-2020年8月
足もとの景気は反転も、持続的回復は見通せず
~ひときわ弱い製造業の持ち直し~

<会員の声>

DI値推移一覧表(PDF:608KB)

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景況調査報告(2020年8月)第107号(PDF:1.49MB)


【概況】

「良い」と回答した企業の割合から「悪い」と回答した企業の割合を差し引いた「業況判断DI」は、「今月の状況」が前回の△40から△13へ「悪化」超過幅が27ポイント縮小しました。これは前回調査から「良い」と回答した企業が11%増加し、「悪い」と回答した企業が16%減少したことによるものです。「前年同月比」は△57から△39へ18ポイント、「次期見通し」は△40から△17へ23ポイント「悪化」超過幅が縮小しました。

業種ごとでみると、DI値の持ち直しに明らかな違いが見られます。業種別の「業況判断DI」は、「今月の状況」が、建設業△30→9、製造業△54→△45、流通業△48→△15、サービス業△28→△1と、製造業を除く全業種で二桁の大幅な改善が見られましたが、製造業は悪化超過幅の縮小が小幅に留まりました。「前年同月比」についても、建設業△53→△23、製造業△68→△68、流通業△63→△43、サービス業△47→△24、「次期見通し」も、建設業△33→△7、製造業△62→△40、流通業△50→△21、サービス業△21→△6と、「前年同月比」「次期見通し」とも製造業の持ち直しの弱さが目立ちます。

分析会議での発言や文章回答からは、今回の調査に見られた回復の勢いが今後も持続すると見ることには慎重な意見が大半でした。今回調査で唯一、今月の業況判断DIがプラス値に回帰した建設業でも、「設備投資の抑制、ホテル建設の中止、マンション建設の停滞など、全体のトレンドはむしろ右肩下がりではないか」「今回の調査結果で好転が強く出たのはコロナで止まっていた工事が再開し始めたことへの安ど感が背景にあり、新規受注が増えたことによるものではない」といった意見が多く聞かれました。今回もっとも回復力が鈍かった製造業のうち自動車関係からは、「5月を底に徐々に回復。9月は昨年対比110%の内示」と順調に回復しているとする声はありつつも、「カーメーカーによって状況が全く違う。いいのは1社だけ。他のメーカーの下請けは前年比3割減の状態が続いている」とする声が聞かれました。また工作機械関連は、「6月までは受注残で仕事があったが、今後年末までは受注が激減」、航空機関連からは「3年は受注は増えない。仕事が戻るにはさらに2年かかる」との極めて厳しい声が寄せられています。さらに半導体製造装置関連では「リモートワークや5G、データセンター向けの需要で底堅く動いている」としながらも、激化する米中対立への深い懸念が示されました。

流通業、サービス業からは、「テレワーク対応や事業所移転にともなう通信環境整備の受注が増加」、「食品に特化したスーパーは過去最高の売上を記録」などのコメントもありましたが、飲食業やイベント関係では大変厳しい状態が依然として続いており、先行き不安を訴える声が多くありました。

今回調査では、「資金繰りDI」の「今月の状況」が△7となり、調査開始以来もっとも「窮屈」超過幅が縮小しています。しかし「次期見通し」では△12と、再び「窮屈」超過幅が拡大に転じる兆候が確認できます。緊急の融資施策による資金的ゆとりがいつまで持続するか予断を許さない状態です。地方銀行の再編が取り沙汰される中、今後金融機関の中小企業に対する貸出姿勢が慎重化するという予測もあり、中小企業には今こそ新たな事業、強靭な企業体質の構築に向けた経営実践が求められます。

[調査要項]

調査日 2020年8月17日~8月28日
対象企業 愛知中小企業家同友会
調査方法 会員専用サイト「あいどる」
回答企業 会員企業より1361社の回答を得た。業種内訳は以下
(建設業235社、製造業303社、流通業342社、サービス業481社)
平均従業員 31.5名(中央値8名)

なお、本報告は愛知中小企業家同友会・経営環境調査委員会(委員長、安藤寿・安藤不動産代表)が実施した調査結果をもとに、景況分析委員の業界情報を集めてまとめたものです。

【業況判断】
全業種で持ち直すも勢い弱い製造業

今月の状況は、前回の△40から27ポイント持ち直し△13と大幅な業況判断の改善傾向を示した。業種別でみると、建設業が△30から9と39ポイント水面上まで改善した。その他、流通業が△48から△15と33ポイント、サービス業が△28から△1と27ポイントと、いずれも改善傾向を示した。製造業では△54から△45と9ポイント持ち直すものの、業況が「悪い」との回答が6割以上を占めた。

前年同月比は、前回の△57から△39と18ポイントの改善傾向を示した。業種別でみると、建設業が△53から△23と30ポイント、流通業が△63から△43と20ポイント、サービス業が△47から△24と23ポイントと持ち直した。製造業は△68から△68と「悪化」状態のまま横ばいで推移した。

3ヵ月後の次期見通しは、前回の△40から△17と23ポイント改善傾向を示した。業種別でも、建設業が△33から△7と26ポイント、製造業が△62から△40と22ポイント、流通業が△50から△21と29ポイント、サービス業は△21から△6と15ポイントと、それぞれ二桁の改善傾向を示した。全業種と時期に渡り、業況判断の持ち直し傾向が見られるが、製造業での改善が総じて弱かった。

業況推移DIグラフ

業況推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

【売上高】・【経常利益】
改善傾向、製造業は悪化維持

売上高DI(前年同月比)は、前回の△53から△35と18ポイント改善傾向を示した。業種別で見ると、建設業が△49から△26と23ポイント、流通業が△58から△39と19ポイント、サービス業が△43から△19と24ポイント、それぞれ二桁の改善傾向を示した。一方、製造業では△64から更に悪化し△66となった。これはリーマンショックで大きく下落した2009年8月期以来のDI値の水準であり、製造業は業種別で唯一悪化した。3ヵ月後の次期見通しは、前回の△53から△35と18ポイント改善傾向を示した。業種別でみると、建設業が△56から△36と20ポイント、流通業が△59から△35と24ポイント、サービス業が△33から△18と15ポイントそれぞれ二桁マイナス幅を縮小させた。製造業は過去最悪の△75からやや改善し△60となった。

売上高推移DIグラフ

売上高推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

経常利益DI(今月の状況)は前回調査の△21から△8と13ポイント改善の兆しを見せた。業種別でみると、建設業が△18から26ポイント改善して8になり、サービス業が△8から9と17ポイント改善し水面上に回復した。流通業では△21から△16と5ポイント、製造業が△41から△39と改善傾向を示した。

前年同月比は前回の△52から△35と17ポイント改善傾向を示した。建設業が△45から△24と21ポイント、流通業が△59から△37と22ポイント、サービス業は△43から△22と21ポイント、いずれも20ポイント以上の改善傾向を示した。製造業が△63から△62ほぼ横ばいで推移し、リーマンショックで大きく下落した2009年8月期以来のDI値の水準を継続する結果となった。3ヵ月後の次期見通しは前回の△32から△11と21ポイント改善傾向を示した。建設業が△33から△5と28ポイント、製造業が△55から△37と18ポイント、流通業が△42から△13と29ポイント、サービス業が△9から5と14ポイント、いずれも二桁の改善傾向を示した。

経常利益推移DIグラフ

経常利益推移DIグラフ(クリックで拡大表示します)

【在庫感】 「過剰」超過幅が縮小

今月の状況は、前回調査の22から18と4ポイント「過剰」超過幅が縮小した。業種別でみると、製造業(27→22)が「過剰」超過幅が縮小した。流通業(16→13)でも「過剰」超過幅が縮小した。前年同月比も前回の18から「過剰」超過幅が縮小し9となった。業種別でみると、製造業(24→12)は二桁「過剰」超過幅が縮小した。流通業(11→6)でも「過剰」超過幅が縮小した。次期見通しは19から15と「過剰」超過幅が縮小した。業種別では、製造業(25→19)が「過剰」超過幅が縮小した。流通業(12→10)でも「過剰」超過幅が縮小した。

【取引条件】 改善する取引条件

前年同月比は△18から△9とやや改善した数値を示した。業種別でみると、建設業(△17→△6)、流通業(△22→△10)、が二桁の改善傾向を示した。製造業(△14→△11)、サービス業(△17→△9)ではやや持ち直した。次期見通しも、前回の△19から△11と水面下を維持した。業種別でみると建設業(△23→△12)が前回調査で過去最大の下げ幅を示したが反転した。流通業(△26→△11)・サービス業(△15→△9)がやや持ち直した。製造業(△14→△12)もほぼ横ばいながら取引条件が持ち直し、全業種で改善傾向が見られた。

【資金繰り】 「窮屈」超過幅がもっとも縮小

今月の状況は、前回の△27から△7と20ポイント大幅に「窮屈」超過幅を縮小させた。この数値は、1994年より調査を開始して以来もっとも「窮屈」超過幅が縮小したものである。業種別でみると、建設業(△26→0)が大幅に「窮屈」超過幅を縮小させ、調査始まって以来の数値を見せた。流通業(△24→△6)・サービス業(△24→△5)が「窮屈」超過幅を縮小させ、いずれも過去二番目の数値を示した。製造業(△34→△17)も「窮屈」超過幅を縮小させた。次期見通しは前回の△29から17ポイント改善し△12となった。この数値も調査を開始して以来もっとも「窮屈」超過幅が縮小したものである。業種別では、建設業(△35→△10)が過去最高、サービス業(△19→△8)が過去二番目の「窮屈」超過幅を縮小させた数値となった。製造業(△40→△22)・流通業(△29→△11)も大幅に「窮屈」超過幅を縮小させた。

【設備過不足】・【施設稼働率】
製造業、設備「過剰」超過、稼働率の低下は持ち直す

設備過不足DI(今月の状況)は0から0と2011年5月期以来の水面上となった状態が継続された。業種別でみると、建設業(△10→△11)、サービス業(△11→△9)がほぼ横ばいで推移した。流通業(1→1)が変化がなかった。製造業(22→21)が「過剰」超過の水準でほぼ横ばいで推移した。

次期見通しでも前回1から2と「不足」超過幅が水面上になった状態が続いた。業種別では、製造業(25→23)が「過剰」超過幅を縮小させた。建設業(△11→△8)、サービス業(△9→△6)が水面下ながら「不足」超過幅を緩和させた。流通業(1→1)が変化がなかった。

施設稼働率DI(前年同月比)は、前回調査の△47から△42と5ポイント「低下」超過幅が縮小した。業種別でみると、製造業(△59→△59)が変化がなかった。流通業(△33→△23)では大幅に「低下」超過幅の縮小が見られた。次期見通しは、前回調査の△46から△32と14ポイント「低下」超過幅が縮小した。業種別にみると、製造業(△57→△43)・流通業(△32→△18)ともに14ポイント「低下」超過幅が縮小した。

【雇用動向】 再び人手不足感が拡大、製造業のみ「過剰」超過

今月の状況は、△1から△10と9ポイント「不足」超過幅が拡大し、緩和された人手不足感が反転した。業種別でみると、建設業(△14→△37)が二桁「不足」超過幅を拡大させた。流通業(△1→△7)・サービス業(△13→△17)も「不足」超過幅を縮小させた。前回調査で「過剰」超過幅を拡大させ、水面上になったのは製造業。今回調査(27→17)でも、10ポイント「過剰」超過幅が縮小するものの水面上にあり、人手の過剰感が見られた。

次期見通しは、△2から△10と「不足」超過幅を拡大させた。業種別にみると、製造業(28→18)が過去最大となった振れ幅の前回調査より反転した。水面下で建設業(△18→△34)・流通業(△3→△7)、サービス業(△15→△17)が「不足」超過幅が拡大した。特に建設業では人手不足感が再び強まった。

【価格変動】
仕入価格やや「上昇」、低下傾向弱まる販売価格

仕入価格変動DI(今月の状況)は前回の4から9と「上昇」超過幅が5ポイント拡大するも、「不変」と回答した割合は77%に及んだ。業種別でみると、建設業(8→13)・製造業(5→8)・サービス業(6→8)が「上昇」超過幅がやや拡大した。流通業(△4→10)では「上昇」超過幅の二桁の拡大がみられ、「上昇」が「低下」を上回った。

前年同月比では9から12と3ポイントやや「上昇」超過幅が拡大した。業種別でみると、建設業(17→19)・流通業(1→8)・サービス業(9→10)が「上昇」超過幅を拡大させた。製造業(12→12)は横ばいで推移した。

次期見通しは、前回の3から7と「上昇」超過幅が4ポイント拡大した。業種別でみると、建設業(5→9)・流通業(△1→9)がそれぞれ「上昇」超過幅が拡大した。製造業(3→5)・サービス業(5→6)が大きな変化がなかった。

販売価格変動DI(今月の状況)は、前回の△10から△7と3ポイントと僅かながら「低下」超過幅が縮小したが、水面下の状態で推移した。業種別でみると、建設業(△6→△10)・製造業(△12→△14)が「低下」超過幅が拡大した。一方、流通業(△17→△8)・サービス業(△6→0)では「低下」超過幅が縮小した。

前年同月比は前回の△8から3ポイント「上昇」超過幅が拡大し△5となった。業種別でみると、流通業(△16→△8)が「上昇」超過幅が拡大した。サービス業(△4→3)も同じ傾向で水面まで上がった。製造業(△9→△14)では「上昇」超過幅が縮小した。建設業(△5→△6)は大きな変化が見られなかった。次期見通しは、△14から△8と6ポイント「上昇」超過幅を拡大させた。業種別でみると、製造業(△18→△14)・流通業(△19→△10)・サービス業(△8→△1)がいずれも「上昇」超過幅を拡大させたが、「低下」を下回る状況で推移した。建設業(△15→△16)では大きな変化がなく、販売価格は低下傾向で推移した。

【借入金利】
製造業の短期金利「低下」、長期金利やや上昇

短期借入金利DIは前回調査の△4から△4と水面下で変化がなかった。業種別でみると、流通業(△7→△2)が「低下」超過幅を縮小させた。一方、建設業(△1→△11)では10ポイント「低下」超過幅を拡大させた。製造業(△2→△0)が水面上になるもほぼ横ばいで推移し、サービス業(△5→△4)でも大きな変化が見られなかった。

長期借入金利DIは前回の△5から△2とやや「低下」超過幅を縮小させた。業種別でみると、製造業(△7→4)が水面上まで「低下」超過幅を二桁縮小させ、金利の上昇傾向を示した。流通業(△7→△1)も「低下」超過幅を縮小させ、建設業(△6→△8)がほぼ横ばいで推移した。サービス業(△3→△3)では変化がなかった。

【経営上の力点など】
製造業以外は「従業員の不足」
力点上位の「社員教育」が鍵

全業種でみた経営上の問題点は、「民間需要の停滞」(49%)・「取引先の減少」(27%)と前回と同じ順位で、「従業員の不足」(25%)が次に続いた。「人件費の増加」(22%)も上位の順位に留まり、大きな変化はなかった。今後の情勢変化を見据え戦略を立てていく必要があるといえる。

業種別でみて特徴があったのは、建設業で「熟練技術者の確保難」(29%)、製造業で「人件費の増加」(22%)、流通業で「取引先の減少」(32%)、サービス業で「従業員の不足」(28%)だった。雇用動向は、前回調査で大幅に人手不足感が緩和されたものの、製造業を除くすべての業種で「従業員の不足」が課題の上位に位置付けられている。文書回答では「働き方改革で元請けから下請けへの業務丸投げがひどくなっている(建設業)」「大企業が内製化を図り市場への流通が減り価格競争で悪化の道を歩んでいる(製造業)」「レジャー&イベント&エンタメ関連の仕事のため、コロナ感染拡大により市場が蒸発(製造業)」「全社員がテレワーク対象となったため、労務管理や評価制度の見直しが必要だが、良いロールモデルがない(サービス業)」という情報が寄せられた。

全業種における経営上の力点は、第1位「付加価値の増大」(57%)、第2位「新規受注(顧客)の確保」(53%)、第3位に「社員教育」(30%)とこれまでと同じトレンドであった。ポスト・コロナを見据えて、経営指針に修正を加え、人材育成と市場創造に徹底して取り組むことが今後の飛躍の基盤となるといえる。


<会員の声(業種別)>

(1)建設業

●前回の5月期景況調査の結果と比較して「今月の状況」を見ると、業況判断DIは△30→9と39ポイント大幅に上昇しました。仕入価格変動DIは8→13と5ポイント上昇(値上がり)、資金繰りDIは△26→0と26ポイント上昇(改善)しています。ただし雇用動向DIは△14→△37と23ポイント下落し、人手不足感が再び強まっています。製造業が設備投資を控えたことで受注が減るなど、取引先によって景況感に差が出ています。自社への影響がコロナによるものなのか、コロナ前から起きていたものかを分析した上で、今後の方針を考える必要があります。(事務局 佐藤)

1.総合工事、リフォーム、大工、室内装飾

  • 新型コロナ第2波の影響で飲食業が改装・修繕にお金をかけなくなり、更に営業時間短縮により経営状態が切迫しているため、新規受注率が大幅に減少している。原状回復等や受注率自体は不変だが、人の動きが少ないため新規案件自体が少ない。
  • 4~5月はコロナの影響で海外調達資材が入らず現場がストップし、6~7月は雨の日が多く現場がなかなか思うように進行出来ず、8月に入ってからはあまりの暑さで更に現場の進行が遅れている状況。今後もコロナ、豪雨、酷暑は湿式の工事を主とした外構工事に大きな経営課題となっている。

2.基礎、鉄筋、土木、コンクリート、解体

  • 職人を育てるための原資を確保するため、健全な経営ができるレベルの単価まで持っていきたいが、困難な状況である。やはり、各地区・各団体で顧客に対して根拠ある単価、それに伴う説明・交渉を一丸となって取り組む必要がある。仕事量が無くなってきたから単価を下げて取りにいくという経営体質を無くしていかなければならない。
  • 鉄筋鋼材仕入れ単価は年明けから現在までに低下(下げ止まり)。今後メーカーの値上げ要請の動向を見守り対応していく。受注関係は順調の一歩手前で、コロナの影響を直接的に感じているわけではないが、来年以降の受注が不透明であり、建設関係のコロナの影響が出始めるのは、来年以降と考えている。木造基礎関係の部門は見積もりが減っている感がある。(去年比で明らかに半減している)実働は受注の案件を着実にこなしているが、今秋以降の空きが予想される。やはり個人住宅は個人消費控えで計画延期・計画立ち消えがある様子。

3.給排水管工事、電気工事、設備工事

  • 建設業界では、住宅、店舗の工事は現状でも減少してきているが、マンション等の工事は契約が先行しているため来年まで仕事を確保。先行きは景気に左右されるため、影響は遅れてくるのではないか。
  • 働き方改革で元請けから下請けへの業務丸投げがひどくなっている。下請けは雇用を増やして対応しないといけないほどで、働き方改革とは逆行している状況。
  • コロナの影響が出ているところと、元々大型案件が減少していたところがある。今は受注残があるので忙しいが、大型案件は計画が延期されているので仕事量としては厳しい状況。自動車業界の設備投資、空港の改修工事、ホテルやマンションの建築などの案件が中止になっているので、影響が長期化すると予想している。
  • 通信関係の仕事ではGIGAスクール構想に沿って学校がオンライン授業を導入したことで特需が起きており、ケーブルや通信機器が不足している。オフィスでもリモート会議のために通信環境の改善を行っているので、通信関係の仕事は今後も伸びると考えている。

4.建築設計・不動産

  • 5月は現場が止まり、海外から材料も入らないという状況だった。建設業界のデータでも7月まで12ヶ月連続のマイナスで、今後も右肩下がりの状況と見ている。投資用のマンションについては金余りの不動産会社がまだ建築すると話しているが、各社の決算状況が悪化しているので今後は建築を控えると予想。また土地価格が下落しており、土地を探す人はいるが購入は控えている状況。
  • 残業代が減り賞与も出なかった影響でローンを払うことができず、自宅を売りたいという相談が来ている。土地購入もあまり活発ではなく、来場者数も回復していない。大手の不動産会社は予約制になっているので、件数が足りていない。リフォームの駆け込み需要もなくなり、建売物件は値下げして売っている状況。
  • 在宅勤務で広いオフィスが不要になっている。またコストカットのために家賃の高い都市部から、地方へ移転する案件が増えており、空きオフィスが埋まらない状況。
  • 土地情報が減り、価格も低下気味。建設費は下がり傾向、特に鉄骨系に値引き競争が始まりかけている。しかし、全体としてはまだまだ仕事は充足している感がある。今までの過剰感から適正となり、減速の方進んでいる気配。今までの下降トレンドと大きく違うのは金回りが潤沢な企業も多く、下降局面がきたら投資をしようと待ち構えている層が一定程度ある。多くの現場情報と精緻な分析と過去にとらわれない経営判断がより一層企業の命運を握っている。
(2)製造業

●業況判断DIでは、今月の状況が△54→△45と9ポイントの改善、前年同月比は△68→△68と横ばい、次期見通しは△62→△40と、業況が完全に戻ったとは言い切れない結果です。売上高は前年同月比が△64→△66と6期連続で「悪い」と回答する企業が増える一方で、次期見通しは△75→△60とやや「悪化」超過幅を縮小させました。また、前回調査で大幅に悪化した経常利益DIの今月の状況は△41→△39、前年同月比が△63→△62と横ばい、次期見通しが△55→△37という結果で、「悪化」超過幅を縮小させていますが、他業種と比べると回復が遅いことが分かります。設備過不足DIと雇用動向DIは今月の状況と次期見通しともに「過剰」が前回よりも下回りましたが、どちらも製造業のみが「過剰」を上回る結果となりました。食品関連では飲食業の不調や野菜の高騰などで苦しい状況が続いていることや、コロナの需要変化で生産量が変化しているという声、自動車関連大手の統廃合により下請けの選別が行われるのではないかという危機感も出ています。何を作っているかで大きく差が出ている製造業ですが、全体的にしばらくは苦しい時期が続くと思われます。(事務局 松井)

1.金属加工・樹脂加工

  • 新型コロナより昨年からの米中貿易摩擦の方が製造業にとっては影響が大きい。新型コロナの派手さに目先を奪われそれを売上低迷の理由にしがちだが、実はもっと根深い問題が外部環境にはある。
  • 自動車向け量産製品の受注が戻ってきた。直近3か月で受注していた新規製品の量産も開始され、対前年比でも売り上げが上昇している。
  • 主要取引先からは、受注増が見込めず年内の発注も減少すると連絡がある。国や大企業主体でいかに景気回復に動き出すかが当面の景気回復の重要な鍵となるが、中小企業まで仕事が来る期待はあまりない。
  • 受注の底は脱した感はあるが、コロナ前の状態に戻る保証はない。
  • 自動車生産数の年内の内示がようやく出されたが、新型コロナウイルスの影響次第で変わる要素が高い。

2.機械部品・機械製造

  • コロナ不況による景気悪化が顕著になる中、消費税の増税及び支払いが大変資金繰りを圧迫している。
  • 7月から売上が急激に減少。特別給付金だけでは焼け石に水で、現状の脱出のために動き出している。
  • 米中貿易摩擦とコロナショックで設備投資を手控える動きがまだ続いている。
  • 打ち合わせや元請業者が海外に出荷できないなど、人・金・物が動かせない状況での影響がある。
  • 製造業は新型コロナウイルス感染の前から景況感が下降気味であったため、現在は更に影響を受け大変困窮である。長期的に続くと早い段階で会社の体力的が限界がきてしまう。
  • 売上前年同月比20%減でも利益を出せるために自動化・省力化を進め、その教育・訓練に力を入れる。
  • コロナ禍、米中問題などで受けられる仕事自体がなくなり、大手企業の内製化や単価の叩きあいが始まっている。

3.木材・木製品製造業(家具を除く)

  • 2020年上半期の新築住宅着工数は、前年同期比で87%となった。特に4月以降の下げ幅が拡大しているため、7月以降の下期については2割減程度で推移するのではないかと予想。
  • イベント関係・民間は悪い。官公庁の物件は、今期の予算は発注されるので大幅な落ち込みはないと思うが来年度以降が不透明で大幅減を予想。

4.印刷・包装関連

  • 同業他社からは、みな同じようにひどい状況が続いているという話しか聞かない。
  • 7月に一旦回復したと見えたが、「第2波」と同時にまた下降気味となった。
  • コロナの長期化によりデジタル化へ移行のスピードが速まった。

5.食品・繊維製品・雑貨・身の回り品製造業

  • 一般食品はスーパーや生協が好調のため順調。医療分野食品は病院への営業が停滞し減少しているが、それでも需要が消滅したわけではない。
  • 販売先の一つである飲食レストラン形態の状況が大変悪く、多くの店が戻っても6~7割の売上と予測。
  • コロナで厳しい上に、野菜の価格が高騰しすごく辛い。
  • イベント系は中止であるため外出着は相変わらず停滞傾向にあるものの、その他の衣料品は8月になり急上昇してきている。外出を控えたりする反動が出ているのかもしれない。

6.その他製造業

  • もともと斜陽産業で5年ぐらい前から厳しくなっていた。
  • 大型の案件情報が延期、もし決まると短納期ということで受注の状況は厳しい局面に入っていきそう。
  • 半導体関連の需要が以前から強気だったが、コロナの影響でリモートワークでのノートPC需要、web会議システムよりのデータセンター投資などで活気だっている。
(3)流通業

●前回の5月期調査の結果と比較して「今月の状況」を見ると、業況判断DIは△48→△15と33ポイント大幅増加(良い)、仕入価格変動DIは△4→10と14ポイント増加(上昇)、経常利益DIは△21→△16と5ポイント増加(黒字)という結果で、全体的に「悪化」超過幅が縮小しました。また同様に「前年同月比」を見ると、業況判断DIが△63→△43と20ポイント上昇(好転)となり、「悪化」超過幅が縮小しましたが、個人消費・住宅投資・設備投資・政府消費・輸出の各分野で好転しているとは言えず、今後も経済動向に細心の注意が必要です。(事務局 墨)

1.機械器具(自動車、事務機器、電設資材等)

  • T自動車のみが力強いので助かっている。8月はもとの計画数量の生産にほぼ戻り、9月からは5月6月の休業分の挽回生産に入るとされている。自動車は順調に回復傾向にある。ロボットは小型を中心に力強い。特に人手を置き換える協働ロボットの需要に期待が持てる。これは省人化だけではなく、コロナ対策としても需要が伸びつつある。しかし、システムインテグレーターと呼ばれる業者の不足とコロナによる移動制限により水を差されている。半導体製造装置は底堅く動いている。5G、データセンター向けの需要が伸びている。
  • 自動車業界はトヨタ自動車が他の自動車メーカーに比べて生産計画通りに推移している。その影響で、関東圏の金型メーカーが採算度外視で仕事を取りに来ている。関東圏の自動車メーカー(日産・スバルなど)が回復すれば、収束すると思うが、安い受注価格だけが残ってしまうので非常に困る。

2.建築資材

  • 内装業ですが、内装工事が大幅に減少。百貨店の情勢が悪く、計画していた改装も中止。今まで定期的に行われていた改修工事も見直され、施工業者は大変厳しい状況にある。

3.繊維、衣服、雑貨

  • 旅行業界です。国や自治体の観光需要喚起事業の動きはあるものの感染症の再発により、現状では大きな効果をもたらしているとは言えない。特に海外旅行に特化した企業は未だに休業が続いている。国際線も再就航してない現状で、海外旅行もインバウンド需要も今後、半年ではまだまだ戻るとは考えられない。大手を含めたくさんの雇用を抱えている企業ほど本当に大変で、倒産とはいかないまでも、廃業、店舗撤退は今後今までにもまして増えていく予測。先が見えない状況。
  • 衣服業界です。春先のコロナの影響は脱した感がある。春の予定(学校販売等)がずれ込んだ影響で動きは同時期としてはある方だと思われる。ただ、コロナ禍の影響で秋以降の動きが昨年までと変わらない動きを見せるかどうかは非常に掴みづらい。不安要素が多い。
  • 雑貨業界です。コロナによるイベントの減少でノベルティの受注が90%無くなった。自粛が解除されてもイベントが復活することはなく、新しい商材とマーケットを開拓することに注力。
  • 自動車販売店ですが、新車販売の低迷により、良質な中古車が少なく取り合いになり相場が高騰。仕入れが高く販売台数も低迷しているので今後が不安。
  • ガソリンスタンドです。5月6月の需要減退はなくなったが、前年比で比べると1割程度の販売数量減になっている。お盆の時期になると廉売合戦が行われており、今年も例にもれずお盆の時期に価格の低下が起きたが、以前に比べて理解不能な金額を提示する店舗は少なくなっており、採算意識の高い販売が定着し始めている模様。

4.運輸、情報通信

  • 運輸業です。新型コロナウィルス感染症の影響が6月に一時持ち直しかけるも、7月から再び悪化継続しており、取引先の殆どがマイナス影響を受けている。
  • 運輸業です。景気が悪くなるといつものことですが、人材確保に関しては数カ月前から見ると一転し、スムーズになってきている。主に鋼材を輸送させていただいているが、自動車などに使用するものはいったん大きく減ったものの、7月以降戻してきている。建設業界向けも動いてはいるが、今後の出荷量が心配。取り扱っている製品ごとに影響のラグがある。

5.保険、不動産

  • これまで不動産仲介に建築業者はあまり入ってこなかったが(※仲介に入ってしまうと、物件情報がもらえなくなるため)、最近は建築業者が仲介にも入ってきている。建築業者の仲介手数料は不動産業者の半額程度とのことで、目的は一つに収益の確保、一つに顧客への値引きです。
  • 不動産の新規購入希望者は、毎月のローン返済に不安を感じて購入は慎重になっている。不動産売却希望者は今無理して売却しなくても景気が上がった時に売却すればよいという意見も聞く。
(4)サービス業

●今月の業況判断DIは△28→△1、経常利益DIは△8→9、とリーマン・ショック以来の未曽有の落ち込みからは持ち直しましたが、依然としてコロナ禍前の数字からは程遠い値であり、厳しい経営状況が伺えます。

三業種毎では、業況判断DIが、専門サービス業△2→19、対個人サービス業△49→△22、対事業所サービス業△40→△5。経常利益DIが、専門22→33、対個人△37→△16、対事業所△12→2。専門サービス業が大きく回復し、ほぼ平常時並に戻ったことに比べ、対事業所は何とかトントン、対個人はまだまだ厳しい状況で、企業間の取引は戻りつつあるものの、一般消費者向けの仕事が停滞し続けていることは、業況判断と合わせて明らかです。

また、対個人サービス業内でも、事業内容によって大きな差があります。業況判断及び経常利益DIについて、在宅介護の需要の高まりからか、福祉・介護事業はそれぞれ42、35と高い値なのに対し、飲食事業はそれぞれ△73、△58と、回答数を考慮しても、改善・展望がまず見受けられません。

経営上の問題点・力点については、「民間需要の停滞」「新規受注の確保」がそれぞれ37%、54%と、前回と変わらない高い値を記録。また、印象的なのは「従業員の不足」が27%、「人材確保」が28%と、大きく下落した前回調査時から再上昇に転じたことです。対個人サービス業ほどこの回答数が増え、下記の記述回答にもある様に、「一時的な需要増による人員不足」「感染予防の組織構築のための人員不足」が入り混じっているのが理由の一端でしょう。そして、この状態はしばらく続くことが予想されます。

余裕ある手元資金の確保を継続すると共に、今こそ採用やその計画を検討すること。更に、自社の業種業態をより詳細に捉えた上での意見交換が、一番のヒントになるものと思われます。(事務局 橋田)

1.飲食

  • コロナ禍による客足の低下に加え、従業員の自主自粛のために人員不足ともなっている。

2.福祉(介護)

  • 新型コロナへの感染対応のため、休職対応やシフトの見直しが欠かせず、平常時より過剰な人員が必要。現在人員は充足してきているが、今後の感染拡大によっては影響が考えられる。
  • コロナ禍により、売上が低下している。来ることが前提のサービスから、来なくても利用できる、地域の今・今後のニーズに合ったサービスを考えていく必要がある。このままの状況が続けば、経済社会へ別の問題が起こり、福祉サービスだけでなく、高齢者の支援者(家族・親族など)の生活へも大きく影響を及ぼすことになるため、そうした方々へのアプローチも、一考しなければならない。

3.自動車整備・販売

  • 新規お客様の獲得が困難な状況は続くと思われるが、お客様にとっても注文先を探すのに苦労しているのではないかとの印象を受ける。そこをどう対応していくかがカギ。その点から見ると、既存のお客様の変動はあまり無いように思われる。ただし、支出の締付は厳しくなっていく。

4.広告・印刷

  • 業界全体に、コロナ禍による正念場感あり。本当の意味でのペーパーレス時代が、到来する予感。
  • イベント開催や広告費の減少、見直しにより、業界としては比較的厳しい。ただし、WebサイトやECサイト、SNSなどの開設や拡充を検討する企業が増えていることもあり、売上を伸ばしている企業が、少なからず存在していることもまた事実である。
  • 全社員がテレワークの対象者となったため、労務管理や評価制度の見直しが必要になっているが、良いロールモデルが見つからない。

5.専門サービス

  • 電話などの相談はあっても、コロナ禍により実際に顔を合わせた上で仕事を受けることが困難な状況であり、結果成約件数が減っている。
  • 土地情報が減り、価格も低下気味。建設費も減少傾向で、特に鉄骨系に値引き競争が始まりかけている。しかし、全体としてはまだまだ仕事は充足しており、今までの過剰感から適正に、さらに減速へと進んでいる気配である。今までと大きく違うのは、資金が潤沢な企業も多く、下降局面が来たら投資をしようと臨んでいる層が一定数いること。多くの現場情報と精緻な分析、過去にとらわれない経営判断が、より一層企業の命運を握っている。コロナ禍は時代転換を早回しにしている、との思い。