活動報告

平和を考える連続学習会―第2講(4月18日)

第17期役員研修大学入学式・共催
同友会運動の歴史と理念

~道なきみちを切りひらくエネルギーの根源

国吉 昌晴氏  中同協顧問

74名が新規に受講(第17期役員研修大学の入学式)

74名が新規に受講(第17期役員研修大学の入学式)

「平和を考える連続学習会第2講」が「第17期役員研修大学入学式」を兼ねて開催され、中同協顧問の国吉昌晴氏に報告いただきました。

国吉氏は「歴史とは、過去との対話である」という言葉を用いて、戦後70年を迎えた機に、同友会運動における先人の歩みを振り返りつつ、現在の到達点を考え、その成果の上に立って未来を思考(志向)することが必要だといいます。

中小企業家の使命

「歴史とは過去との対話」

「歴史とは過去との対話」

同友会の歴史は、「地域に根ざす中小企業こそが日本経済の主人公」として自覚と使命感を持つ誇り高き中小企業家の、「自主・自立の精神」で展開してきた運動の歴史です。

第2次世界大戦後の自由経済の下、中小企業は国民生活に必要な物資の生産・流通を担い、日本経済の基盤を支えていました。しかし1946年からは、経済復興のための重点生産政策として「傾斜生産方式」が実行され、事実上の自由経済は終焉します。

石炭や鉄鋼などの基礎物資が基幹産業の大企業へと最優先に供給され、その影響を受けて中小企業は資金難・人材難・資材難に直面。さらに特別税制(戦時補償特別税、臨時増加所得税など)が敷かれ、中小企業経営は一挙に暗転したのです。

平和のなかでのみ中小企業は繁栄

厳しい戦後統制を受けた当時、悪化する中小企業経営を改善するために多くの中小企業家が立ち上がり、全国各地で様々な団体を結成し、中小企業運動を展開しました。その中で発足したのが、同友会の前身となる全日本中小工業協議会(全中協)です。

全中協は「中小企業こそ日本経済の主人公であり、平和のなかでのみ繁栄が可能である」を理念に、真の経済再建を目指して結成されました。

「自主・自立の精神」に立って、自助努力で企業を発展させることが日本経済発展の絶対的要件であるとの考えは、「同友会理念」「労使見解~人を生かす経営」の精神へとつながり、2010年6月に閣議決定された「中小企業憲章」にも生かされています。

時代をつくり続ける

中小企業家は時代の諸課題に自らの足で立ち向かい、「欠点を反省し、新たな挑戦をする」という精神で同友会運動を発展させてきました。私たちは今後も中小企業家としての自覚と使命感を胸に、自身の力量を高め、難関に立ち向かうエネルギーを蓄えていかなければなりません。

同友会では現在も、「税制・金融問題」「中小企業憲章・中小企業振興基本条例」「エネルギーシフト」など、新しい提案を次々と展開しています。同友会理念に共感し、実践する仲間を地域に広げ、「3つの目的」「自主・民主・連帯の精神」「国民や地域と共に歩む中小企業」に基づいた運動をさらに進めていくことが、全国の中小企業家に期待されています。