活動報告

男女共生委員会(7月4日)

知って学んで活用しよう
~「仕事と介護の両立支援」研修講座(1)

尾之内 直美氏 認知症の人と家族の会代表
深見 重夫氏  理学療法士

仕事と介護の両立のための要点(配布資料より)

仕事と介護の両立のための要点(配布資料より)

年間10万人が介護離職

男女共生委員会では、介護をしながら働き続けられる企業づくりの一助にと、公益社団法人「認知症の人と家族の会・愛知県支部」の協力のもと全3回の研修講座を企画し、初回は25名が参加しました。

「家族の会」代表の尾之内直美氏は、まず介護を取り巻く社会的背景を説明します。日本は現在、高齢化率26.8%と世界でも類を見ない超高齢社会であること。少子化・未婚化・晩婚化により高齢者のいる世帯は43%、夫婦のみや高齢者単独の世帯は50%を超えています。

介護の担い手は配偶者や子で、その3人に1人は男性という現状です。「介護を理由に退職する人は年間10万人。仕事を辞めても介護は終わらず、経済的に困窮していく」と実態が明かされました。

また、会社に伝えていない隠れ介護者や、介護保険・介護休暇等の知識を持たない人が多いこと、職場の理解不足等の事例と併せ、一旦会社を辞めてしまうと介護しながらの再就職はままならないという現状も伝えられました。

社内でも知識・情報を

理学療法士の深見重夫氏からは「はじめての介護保険」と題して、相談・申請先や、介護度認定調査、利用できるサービス内容などについて、詳しく説明いただきました。

両講師からは「介護離職は会社も社員も損をする。社内で少しでも情報や知識に触れる機会を設け、1人で抱え込ませないことが大切」と強く訴えられました。参加者からは「介護離職を防ぐため自社での対応を急ぎたい」などの声が聞かれました。