活動報告

男女共生委員会(8月1日)

知って学んで活用しよう
~「仕事と介護の両立支援」研修講座(2)

服部 英幸氏  長寿医療研究センター部長
伊藤 篤史氏  認知症対応型通所介護施設所長

認知症の概要を説明する服部氏

認知症の概要を説明する服部氏

「認知症」は症状の総称

昨今、頻繁に見聞きする認知症や介護の問題。男女共生委員会では、仕事と介護を両立しながら働き続けられる企業づくりに向けた研修講座を開催しています。

2回目の今回は、介護が必要となる要因の中で大きな部分を占める「認知症」を知ろうと、医師の服部英幸氏と作業療法士の伊藤篤史氏にお話しいただき、26名が参加しました。

まず服部氏から、認知症は病名ではなく症状の総称で、生活習慣病、ビタミン欠乏、ホルモン異常等が認知症を引き起こす背景疾患と言われていることを紹介。アルツハイマー型や脳梗塞・脳出血等に由来する血管性型の他にもあり、記憶力・判断力・思考力・言語機能等が低下する認知機能障害が必ず現れ、患者の周囲環境によっては抑うつ・興奮・徘回・睡眠障害・妄想等の症状が出て介護の困難さが増すといいます。

早期に診断・治療することで治る認知症もあり、初期症状を知ることで周囲や本人も対応しやすいとして、日常生活で現れる現象を例に挙げ、認知症の類型と特徴的な症状を解説しました。

NPO発行の認知症を知るための冊子

NPO発行の認知症を知るための冊子

まず経営者が把握

続いて伊藤氏は、認知症対応型デイサービスを紹介。要介護状態になった時、本人の孤立を防ぎ家族の負担を軽減するために、本人の力を引き出す働きかけで食事や入浴など日常生活上の介護や機能訓練等を行っているサービスがあることを伝えました。

また、高齢者とは異なる若年性認知症の特性と、4期に分かれる全体像を解説。これは社員や社員の家族、自分や配偶者など、誰もが予期せずなる可能性のあるものです。そうなった時に、障害者控除や傷病手当金、障害年金等の措置が受けられることを説明しました。

参加者からは「認知症という言葉は知っていても中身を知らないと、適切な対応ができない」「すべて自分でやるのではなく、プロに任せることも必要で、それで社員(介護者)が仕事を続けられる」等の声が寄せられました。

突然、介護が必要になっても、経営者に知識があれば、社員も働き続けられます。「社員の幸せを考える経営者は、まず知ることが第一歩」とまとめがありました。