活動報告

第17期役員研修大学 第3講座(7月11日)

同友会らしい「採用」の実践を学ぶ

磯村 太郎氏  (有)サン樹脂加工

磯村 太郎氏

磯村 太郎氏

第17期役員研修大学第3講座、磯村太郎氏の報告を紹介します。

社員に教えられたこと

私の会社は、プラスチック樹脂の加工を専門的に行っています。

私は2代目として入社後、借金や高齢化という自社の将来を案じ、自分しか継げないような会社から、他社に望まれるような評価の高い会社への変革を決意しました。当初は年齢だけを基準に採用しており、社員の定着率は芳しくありませんでした。

あるとき、新工場の建設を機に採用した社員たちが、「仕事内容・給与・労働環境は悪くないが、この会社では働きたくない」と、全員退社してしまいました。既存の社員からも、採用基準やコスト重視の経営姿勢、社員一丸で取り組む目標が無いことを指摘され、経営者の想いが社員に伝わっていないことや採用の意義について悩み、同友会に入会しました。

三位一体の経営を

経営理念の実現につながる採用の意義が語られる

経営理念の実現につながる採用の意義が語られる

会活動で指針作りに取り組むうちに気づいたのは、社員との信頼関係づくりの必要性です。社員を自らが守る子供のような存在と考えるのではなくパートナーととらえ、自分1人では実現できないことを可能にするのが採用だと、考えを改めました。

不況を機に参加した共同求人では、絶えず経営理念を伝えました。また社員と共に、求める人材像や「なぜ自社で働くか」を考えていくと、働く側も将来どうなりたいかを意識しており、採用にはそれを語る必要があることに気づきました。現在の課題を踏まえ、改めて理念を社内で共有し、三位一体経営を目指す決意を示しました。

共同求人活動を通じ、多くの雇用を担う中小企業の役割の重さを感じます。採用は、理念を実現し、地域に若者を残すといった奥深い意義を持つものです。企業は環境適応業のみならず社会自体を変えていくもので、その代表たる経営者には「生きる、暮らしを守る、人間らしく生きる」を実現する会社づくりが求められています。