活動報告

第17期共育講座 第4講座(8月19日)

人間の素晴らしさ、生きる喜び

杉浦 昭男氏  真和建装(株)

「共に育つ覚悟」の大切さを説く杉浦氏

第17期社員と学ぶ共育講座(34社、107名が参加)第4講座・杉浦昭男氏の報告を紹介します。

経営者の覚悟

「共に育つ」とは、雇用した以上、社員の幸せは経営者の自分が守るという覚悟であり、社員に求めるものではありません。社員が「この会社で経営者と一緒に働くことができてよかった」と思ってくれるまで経営者として学び、資質を高め続けるのです。

息子が労働災害で亡くなったとき、廃業を決意しました。社員の進言でとどまりましたが、彼らの生活を考えることなく廃業の決断をしたことを恥じました。

社員と経営者の間には、どんなに信頼関係を築いても埋まらない溝があります。この溝を少しでも細くしようと努力することが「共に育つ」であり、育てようという経営者の覚悟と育ちたいという社員の心が重なったとき、本当の「共に育つ」が生まれます。「共に育つ覚悟」と「労使見解」は、同友会の一丁目一番地であると理解しています。

人間の素晴らしさ

ある日、朝礼で一言も話せなかった社員を数人の社員が取り囲んでいたので、説教でもしているのかと声をかけると、皆で掛算を教えていました。また、業績悪化の際に社員に配置転換を相談すると、「会社のためなら何でもします」と言ってくれ、共に育つ風土が我が社に芽生え始めたように思いました。

自社には2名の障害者がいます。彼らの「僕たちみたいな者にも優しい」という言葉に、偏見の目に晒された大変な人生を痛感しました。その社員が、来社した人に「会長はおもしろい、楽しい」と言ったそうです。私にとって最高の勲章であり、一生の宝物です。

障害者も健常者も「幸せになりたい」と思う気持ちは同じです。障害ゆえに足りない部分があるならば、私たちがそれを支え、応援しようではありませんか。

私の好きな言葉に『桃李不言 下自成蹊』(トウリフゲン カジセイケイ)というものがあります。桜は、毎年花を咲かすという自らの使命を愚直に全うすることで、見る人を魅了します。人間も、愚直に一生懸命取り組めば、周囲から認められ、生きる素晴らしさを感じます。私は、自社の社員と出会えたことで、人間の素晴らしさと生きる喜びを実感しています。