活動報告

第17期共育講座 第5講座(9月23日)

人がつながる社会を

高瀬 喜照氏  (株)高瀬金型

「人が育つことが何よりも嬉しい」と高瀬氏

「人が育つことが何よりも嬉しい」と高瀬氏

第17期社員と学ぶ共育講座(34社、107名が参加)第5講座・高瀬喜照氏の報告を紹介します。

心を通わせることで豊かになる

私は小さい頃から黙々と1人でものをつくることが好きでした。また、人と話すことは苦手な方でした。しかし社員を雇用する立場となり、社員の成長を見る中で気づき、教えられました。人と人とのつながりを感じにくい現代ではありますが、心を通わせることで、人間はもっと豊かになれると思います。

大田堯(たかし)氏(東京大学名誉教授)は中小企業家しんぶん2010年6月15日号の記事の中で、『あらゆる生きものは、自己中心的な存在であると同時に、他者とかかわり、依存する関係がなければ生きられない矛盾した存在です。ヒトは、その両者の緊張関係の中で、選んで自分を読み、歴史を綴るように進化してきました』と述べています(「憲章への各界の期待」より)。

私たちは、過去から未来への縦のつながりと、同じ時間を生きる横のつながりの中で生きています。どんな物事にも過去の蓄積があり、発展と後退を繰り返しながら現在につながっています。

人との関わりの中で人は育つ

創業から15年間は弟と2人でやってきましたが、20名ほどの社員数になると、取引先からの要望にも対応しきれず行き詰りの状態になりました。

そんな中、インターンシップで若い人の素直さに驚き、新たな可能性を感じ、その年に2名の新卒学生を採用しました。社内では役割を明確にし、各自が自分の仕事に誇りを持って働くことのできるような組織にしています。

社会とは、1人では生きられない人間が互いに協力して生きていくものです。そして、社会のニーズの中に仕事があります。人のためにならない仕事は世の中に存在しません。生きることと働くことは非常に近い存在です。

私は、人が育つことが何よりも嬉しいのです。親が子供の成長を願うように、社員の成長を見ています。まず自分自身が変わり、努力していくことで周りが変わり、世の中が変わります。人と関わることはエネルギーが必要ですが、人は人との関わりの中でしか育たないと思います。