活動報告

人を生かす経営を学ぶ総合学習会(10月31日)

憧れの企業になる ~採用・教育の実践

和田 寿博氏  愛媛大学教授

「中小企業の根本問題は教育にある」と語る和田氏

「中小企業の根本問題は教育にある」と語る和田氏

第3回「人を生かす経営総合学習会」が行われ、愛媛大学教授の和田寿博氏にお話しいただきました。以下に概要を紹介します。

あてにされる存在へ

同友会は経営者の生き様から学ぶ場です。経営者の役割は、世の中は捨てたものではないことを証明し、「憧れ」になることです。経営者が変われば地域が変わるのです。

中小企業の根本問題は教育にあります。中小企業への評価が高まらないのは、「社会の理解の低さ」と「経営者や社員の理解の低さ」にあります。

「労使見解の精神」を生かした経営指針を確立し、社員教育を進め、障がいのあるなしに関わらず採用を行うことを経営者が自覚して、取り組むことが中小企業の根本であり、「あてにされる」存在の条件です。

世の中に光をあてる

愛媛同友会では、キャリア共育、採用、社員教育の3つの活動を一貫して取り組んでいます。文献『生きる力を育む教育』を発行し、産学官連携や中小企業振興基本条例の実践においても相乗効果を生んでいます。地域における経営指針である条例の振興策を具体化することが重要です。

中小企業は救済の対象ではなく世の中(地域社会)に光を当てる主人公という自覚を持ち、そうなるための実践(変革)が大切です。

企業経営の価値を創造することは、お金のみを再生産するのではなく、人間が人間らしく生き、人間らしい文化を再生することに喜びを感じることです。同友会運動とは、住民が地域を愛し、社員が働きがいを感じ、経営者は誇りを持つという壮大な社会教育運動であり、条例はその実践です。会員が条例づくりと実践の中心になり、生命力ある条例にすることが大事です。

「人を生かす経営の総合実践」とは、「憧れの企業」になることです。運動の主体者として採用と教育を実践し、共に前進していきましょう。