活動報告

第4回「人を生かす経営」を総合的に学ぶ学習会(1月17日)

未来は目の前に立つ若者から始まる
~若者が育つ魅力ある企業へ

佐藤 進幸氏  (有)佐藤徳太郎商店(秋田同友会)

人間として生きる喜びが得られる企業づくりをめざす

人間として生きる喜びが得られる企業づくりをめざす

10年後の自社の姿は

秋田同友会(共同求人副委員長)の佐藤進幸氏より、新卒採用で社内が変わり、自らの意識も変化した実践事例を報告いただきました。

佐藤氏の会社は佃煮メーカーとして創業し、卸売業に特化してきました。平成に入ってから卸売りが低迷し始め、社内では高齢化が進んでいました。同友会で「経営指針を創る会」を受講した佐藤氏は、10年後の自社の姿を問われ、社員の採用と、従来の業態からの脱却、全国直販小売を決意します。

しかし、雇った社員は仕事をさぼったり、勝手に帰ったりするような状態でした。社内の体質に悩む中、佐藤氏は新卒採用に踏み切ります。

新卒採用にあたっては、専門技術の教え方を、職人気質の「見て覚えろ」から「丁寧に作業内容を伝えよう」に変えていきました。また、新入社員の働きぶりに触発されてベテラン社員も先輩としての自覚に目覚め、徐々に成長していきました。

佐藤 進幸氏

佐藤 進幸氏

「人は変わる」「人は育つ」

佐藤氏は、経営指針を創る会で「あなたには価値があります」という一言から自身の生い立ちを振り返り、厳しかった父の胸の内に思いを致すようになったこと。会社を継ぐために父は自分の夢を捨てますが、「この会社は俺の生きがいなんだ」と言っていたことも思い出されました。

以来、会社を支えてきてくれた社員や家族等、すべてが今につながっていることに思い至り、いろんなことに感謝できるようになったといいます。

だからこそ、一見やる気や自信が持てない、心に傷がある社員もいることを受け止めて、佐藤氏は「人は変わる」「人は育つ」と信じ、社長のビジョンを押し付けるのではなく、社員の自主性を大事にしています。社員が少しでも自分の価値に気づけるよう、「人間として生きる喜びが得られる企業づくり」をめざしていきたいと語り、報告を締め括りました。