働く意義や楽しさを伝える
企業・学生・学校が共に作り上げる
愛知同友会は、1998年より大学生向けのインターンシップ研修に取り組んでいます。学生を新入社員でもアルバイトでもない「研修生」と位置付け、仕事の全体像を通して働くことの意義や楽しさ、中小企業の魅力などを伝える機会としています。
今年度も、8月22日から始まるインターンシップに向けて、企業と大学が相互に理解を深めることを目的とした事前準備会議が開催されました。20大学と、受入企業から90名、また、昨年インターンシップに参加した学生3名が参加しました。
同友会インターンシップの特徴は、企業・学生・学校の3者が共に作り上げる点にあります。今回は3者それぞれの視点から問題提起をいただきました。
生きることは働くこと
企業側からは、城所真男氏(重機商工)が「日本の企業数の99.7%を占める中小企業は、生きることと働くことが同一な点が魅力。インターンシップを通して良さを知ってほしい」と語りました。
昨年度の研修生からは、代表して竹本竣哉氏(愛知東邦大学4年)が「インターンシップを通して具体的な企業感を養い、長期的な目標を持つことの重要性を学んだ」と報告しました。
大学側からは石橋健一氏(名古屋産業大学教授)が、アンケート調査から見る最近の若者の傾向に触れた後、1997年と2016年に行われた中小企業に対する学生の意識調査に言及。アットホームで地域に根差し、経営にも大きく関われる半面、労働条件等で課題があるという結果が、20年の間でほぼ変わりないことを指摘しました。その上で、企業の積極的な情報発信のほか、大学との連携や出前講座など、学生にダイレクトに届く経路の構築によって、中小企業の声を伝えることの重要性を訴えました。
グループ討論では、「若者が魅力を感じる企業とは」をテーマに、企業と大学の相互の取り組みを交流しました。
今年度は約90社で217名の学生を受け入れる予定です。これまでより受入企業数も増え、1人でも多くの学生に働く楽しさや意義を感じてもらえるよう、中小企業の魅力を発信する取り組みが進んでいます。