活動報告

第18期役員研修大学 第1講座(5月15日)

同友会理念と企業実践

高瀬 喜照氏  (株)高瀬金型

自身の学びと気付きのきっかけを話す高瀬氏

経営の軸が必要

「同友会理念と企業実践」をテーマに、第18期役員研修大学・第1講座を行いました。報告者は、研修大学全体に深く携わっていただいている、副代表理事の高瀬喜照氏です。

高瀬氏はまず、1人の人間として「どうあるべきだ」という理念を持って生きていくことが必要と説くと共に、創業時から今に至る経緯を話しました。戦後の貧しい時代にモノづくりに黙々と取り組む父の姿勢が、自身の理念の原点だといいます。

次に、「同友会3つの目的」「自主・民主・連帯の精神」「国民や地域と共に歩む中小企業」の同友会理念を取り上げて、各々の意味を説明し、同友会に所属している以上はこの理念を学び、周りへ推進していく必要があると強調しました。

人は可能性を秘める

高瀬氏自身、当初はこれらを理解できなかったと振り返ります。しかし、会活動を通じ、経営者としての在り方を考えるほど、この理念に共感できるようになりました。そして同友会理念を踏まえた科学性・社会性・人間性を満たす経営理念を作成し、人を大切にする「人間尊重経営」を実践してきたのです。

また、こうした気付きの大きなきっかけとなったのが、インターンシップです。会社では当時、中途採用を繰り返し、社員数こそ急激に伸びたものの、仕事に満足に応えることができず、経営者と社員は対立状態にありました。

しかし、インターンで研修に来た女子学生が素直に理念に関心を示してくれたことで、新卒採用へ舵を切ります。この社員たちが想像以上に成長していく姿から、高瀬氏は人の可能性を信じ、また経営者として共に成長することを楽しみにするまでに変化していったのです。

本質部分を模索

経営者として自身の仕事に誇りを持ち、いかなる場合も社員の生活を守ること。同友会と自社の目的を合致させること。会社が良くならない限り、同友会運動が広がることはあり得えない、と高瀬氏はいいます。

最後に「生きるとは、社会とは、働くとは何かという、本質的な部分を模索し続けてほしい」と話し、報告を締めくくりました。

現在の社会はさまざまな問題が頻発しており、その解決の一助として、同友会理念の実践が求められています。1社1社がここでの学びを生かし、人間尊重経営を具体化していくことが期待されます。