活動報告

第18期役員研修大学 第2講座(6月19日)

「労使見解」の精神と実践

吉田 幸隆氏  エバー(株)

労使見解を自社に照らして説明する吉田氏

会社は誰のものか

吉田氏は、「会社は誰のものですか」と参加者へ問題提起をした後、章ごとに労使見解と、学ぶべき点を説明しました。近年、労使見解の内容は知られてきましたが、その理解と実践は、会内で進んでいると言い難い状態です。吉田氏も、以前は綺麗な言葉で社員をうまく働かせるために利用したと振り返ります。

しかし、労災事故やリーマン・ショックを経て、経営者の姿勢を改めて考えるようになったこと。自社の成功は社員や地域、取引先のおかげであるが、失敗は経営者の責任であり、労使間であてにしあてにされる関係づくりが欠かせないと話しました。また、労使見解の今日的意義として、指針の全社的実践や就業規則の整備、経理公開をすることでの共通認識等を挙げ、単なる言葉や姿勢だけでなく、今から行うべき具体的行動も併せて示しました。

社員の主体者意識

社員の自主性・自発性が発揮され、生き生きとしたやりがいに満ちた会社の状態が「人が生きる企業」であり、「人を生かす経営」を標榜する経営者の姿勢そのものです。社員が「自分の会社」と主体者意識を持つことで、全社一丸体制が構築されます。

吉田氏は、機械の故障を社員が直した際に、もっと知識が必要だと資格勉強を始めた話に触れ、コミュニケーションの社内研修と併せ、風通しの良い組織へと育っていることを紹介しました。

人には成長段階において、情熱・専門性・独自性・人間性を磨く期間があり、この段階を着実に踏まえること。同友会では、委員会をはじめ地区外の組織へ積極的に参加すること。常に考え続ける姿勢と、責任は自身にあるという覚悟を持ち、謙虚さを忘れず会活動に参加してほしいと、報告を締めくくりました。

高瀬喜照氏からは、「社員の成長が経営者の一番の喜びであり、人間尊重経営の実践には、経営者の成長が欠かせない」と、今後の学習に向けてエールが送られました。