活動報告

第18期共育講座 第2講座(6月23日)

人を大切にする経営

明石 耕作氏  (株)トヨコン

ビジョンを語る大切さを報告する明石氏

第18期社員と学ぶ共育講座(32社、112名が参加)第2講座・明石耕作氏の報告を紹介します。

封印した経営理念

自社は1964年に梱包屋として父が創業しました。私は、2003年に同友会に入会し、同年秋に社長に就任しました。何をしていいかわからず、とりあえず経営指針を作成して発表しましたが、恥ずかしさと反応の薄さのあまりそれを封印しました。

当時、右肩上がりに伸びていた業績は、バブル崩壊を境に減少し始めます。グループ会社の商社は高い利益率を保持していましたが、離職率も高く、お金が全ての企業でした。

同友会のインターンシップに参加し、封印していた経営理念を大学生に語ると、「素敵な理念ですね」と目を輝かせて話を聞いてくれました。10年以上採用しておらず、人材派遣会社からの外国人労働者でやり過ごしていましたが、学生に経営理念を理解してもらえたことで嬉しくなり、新卒採用をしたら会社が変わるかもしれないと考えるようになりました。

自社の存在意義

創業時から続いた1社への依存度を5年以内に8割から5割にすることと、未来を創るための新卒採用をしようと決意し、中期ビジョンを作成しました。社内には新卒採用への反発もありましたが、経営指針で方向性を示すことができました。ビジョンを掲げ、理念を語ることで社員の定着も良くなり、戦略的な人事配置ができてきました。

これまでの仕事が消えていく非連続の時代の今、自社の存在意義を改めて問い直し、人で差別化していかなければ生き残れません。

経営者として人を大切にするとは、社員の生活を保障し、安心して働き続けられる会社にすることです。そして、社員が仕事に対するやりがいと労働に対する喜びを持てるようにすることだと思います。