活動報告

「初めてのインターンシップ」障害者自立応援委員会(2月12日)

名古屋聾学校生徒の実習を受け入れて

前田 崇統氏  前田バルブ工業(株)
白井 美佐子氏 (株)明治ライアス

障害者自立応援委員会では「1社1人と関わる」をテーマに、障害のある生徒たちの実習に取り組んでいます。今回は、耳の不自由な生徒たちが通う名古屋聾学校の実習を9社で受け入れ、初めて体験したお2人から報告をしていただきました。

誰もが働ける会社に

実習で得た気づきを報告する前田氏

前田バルブ工業は、水道用バルブ、継手・水道管直結スプリンクラー製造・販売の会社です。受け入れた実習生は高等部2年の男子生徒で、バルブの成型から組付けまでを社員と一緒に行いました。最初は筆談と口形の読み取りで会話をしていましたが、工場長のアイデアでスマートフォンのアプリを活用したり、社員が手話を覚えたりするなど自発的に関わろうとする姿が見られました。

また、実習によって日ごろの業務の伝達方法を見直すなど、社内全体で働きやすい環境づくりへの意識が高まりました。受け入れの背景には人材不足もありましたが、これからは多様な人を受け入れ、選ばれる企業になることが大切であり、どんな困難な時代も社員と力を合わせて対応できる会社にしたいと前田氏は力強く語りました。

やりがいを感じて成長へ

適材適所の大切さを語る白井氏

明治ライアスは、食品等の卸売・小売、配送を行っています。経営理念に「みんなの幸せ」を掲げ、違いがあっても共存していくことが当たり前という考え方が基本にあり、実習も自然に受け入れました。

実習生は高等部2年の女子生徒で、相手の口形を読み取り理解しようとする真剣な姿に、周囲は皆、背筋が伸びる思いがしました。教育担当の社員2名も一生懸命に仕事を教えることで成長しました。実習生には目で見て理解できる環境が必要だと考え、商品名の統一、在庫管理、マニュアルの絵図化など社内整備も進みました。

振り返れば、これまでも何らかの配慮が必要な社員と一緒に働いてきました。適材適所を工夫し、その人に合った仕事をつくり出し、誰もがやりがいを持てる会社にしたいと白井氏は報告を締めくくりました。