活動報告

第20期役員研修大学 第10講座(2月17日)

何のためにここにいるのか
~主体者としての同友会運動と活動

馬場 愼一郎氏  データライン(株)

具体的に問いかけ、考え、周りに伝える

第20期役員研修大学・第10講座、馬場愼一郎氏の報告を紹介します。

同友会役員は運動の推進役

「同友会活動」と「同友会運動」という言葉がありますが、その違いとして私は、働きかける範囲が自分だけか、自分以外(社員、取引先、顧客、経営者仲間)かで区別をして考えています。

同友会には例会や委員会など様々な学びの場があります。そこへ参加するだけではなく、学びを自社で実践したり、同友会理念に共鳴する同志を増やす会員増強活動をしたりすることこそが、同友会運動であると私は考えます。また、同友会役員とは、業績がいい人でも立派な経営をしている人でもなく、このような同友会運動を行う人たちをいうのではないかと思います。

同友会役員は、会員であり経営者である前に、1人の人間です。何のために生まれ、なぜ経営をするのか。自分自身と向き合い、1人の人間として「なぜ今、同友会にいるのか」を“常に”問いかけ、主体的に取り組むと、役員を務めることが経営者として大きな学びになることを実感できると思います。

事象と本質を意識的につなげる

同友会理念や「労使見解」、「共に育つ」、中小企業憲章草案といった考え方は、同友会が発足してから数十万人の経営者たちが何十年の経営経験から絞り出してきた共通性を持つ英知であり、価値があります。だからこそ、特に同友会運動を担う同友会役員は、理念に共鳴すること、また初めは納得できないことがあっても、まずはそれらを素直に受け入れ、考えてみることが大切です。

その際、同友会の考えが生まれた議論の経過を「追体験すること」が非常に重要です。例会報告者の実践(個別的で具体的な事例)が、同友会の理念・考え(本質)に照らし合わせてどれにあたるかを見つける。その部分を自社で実現するためにはどうするかを具体的に考え、実践する。このサイクルを幾度となく繰り返すことで、自分の考えを変え、会社を変え、自分の言葉で理念を語れるようになり、ひいては同友会理念の実現に近づくことになると思います。