将来ビジョンへの一歩に
村田 直喜氏 (株)MRT
聾学校の実習生を受け入れて
2月の障害者自立応援委員会ではMRTの村田直喜氏に報告いただきました。
村田氏は採用難をきっかけに同友会に入会。共同求人活動に参加するも、学生に語るものがないと経営指針を学び始めます。具体的課題からスタートし、会での学びと自社の成長を両輪として動いてきました。入会2年目に障害者問題委員会(当時)に参加、「人を生かす経営」は障害者との関わりによって一番明らかになることに気づきます。
そして5年前から、耳の不自由な生徒が通う愛知県立名古屋聾学校の実習受入に参加しています。実習の際に大切なのは、受け入れの意義を社員と一致させておくことだといいます。生徒たちと直に接し、聞こえに違いがあるだけで自分たちと何ら変わりはないと理解できたことは、「人を生かす経営」への一歩だと振り返りました。
また、前もって障害がわかっていることで、できない部分をどう補うかを工夫し、共に働く環境をつくり出すことができるという経験を重ねてきました。MRTのビジョンには障害者雇用を明文化しており、バリアフリー交流会や実習を大切なステップとして位置付けています。
同聾学校では実習後に学校で報告会が行われており、参加した伊藤卓氏(太陽電化工業)から感想が寄せられましたので、以下に紹介します。
【寄稿】チームワークを大切にする会社へ
伊藤 卓 太陽電化工業(株)
実習生I君は、聴覚障害と軽度の知的障害を持ち合わせていましたが、仕事ぶりにも会話のやり取りにもハンディを感じませんでした。自社では名古屋聾学校の卒業生が働いていることもあり、I君は安心して働くことができているようでした。
実習後の報告会で、I君は自社での作業と「めっき」について詳しく説明し、大好きな部活と重ね合わせ、「チームワークの大切さや楽しさは会社も同じ」「先輩がとてもカッコよかった」「就職したらチームで楽しく働き、自立した大人になりたい」と力強く決意表明しました。ひたむきに語るその姿に、思わず目頭が熱くなりました。
実際は改善すべきところも多々ありますが、I君のような情熱を持ち、みんなで一丸となり社業を発展させなければならないと気づかされた報告会でした。