活動報告

ダイヤモンド部会「潮風の一本道」(10月23日)

コロナ禍だからこそ原点回帰

坂野 豊和氏 (株)まるは

会社の原点に戦略のカギを見出す

お客様に喜ばれることを

10月例会は、大衆食堂・旅館・公衆浴場の運営、魚介類の卸を事業にするまるはの坂野豊和氏に、会社の歴史、創業者の姿、事業承継について報告いただきました。

同社の創業は1950年。南知多の豊浜で坂野氏の祖父母が魚屋として開業しました。「買った魚を料理してほしい」。「ご馳走を食べた後に泊まっていきたい」。そんなお客様からの要望に、喜んでもらえることならばと応え続け、57年に食堂、61年に旅館を始め、事業を拡げてきました。「喜ばれることをやり続ける」。これが、まるはの原点にあるといいます。

坂野氏が入社したのは、同社が苦難の時にあったという98年。忙しさから社内が混乱していました。会社を良くしたい一心で朝から夜まで奔走しましたが、社員との関係に悩みもできました。

その頃に同友会を知り、悩みを打ち明ければ、周りから多くのアドバイスをもらえたのが有難くて入会を決めたといいます。同友会で学び、人に目を向けて経営指針を作ること、理念に共感してくれた人を雇う採用を実践してきました。

創業者の想いを継いで

社員を育てて店長を任せ、地域の社長を増やしたい。こう考えるようになったのは、創業者である相川うめさん(故人)の想いを知ったからだといいます。子ども全員に店を持たせてやりたいと、うめさんは4年連続で本社別館を含む4つの建物を建てました。坂野氏は、「やりたい」と手を挙げてくれた社員に新店舗や新規事業を任せ、一緒に会社を発展させていきたいと考えています。

創業者の想いを誰よりも継ぎたいという坂野氏。会社の歴史の中から商売の原点や良い部分を学び、残しつつ、変えるところは変えていきたいと考えています。まるはも新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、経営指針で常に会社を見直してきたからこそ、悩みではなくどう乗り越えるかという課題として受け止めることができたといいます。新たな商品開発にも力を入れながら、現在も「お客様に喜ばれること」を追求し続けています。