【西春日井地区】「知りあい、学びあい、励ましあう」活動が新たな商品に
平本 直靖氏 (株)ツーリスト中部
多和田 友彦氏 多和田紙工(株)
前代未聞の危機を前に
西春日井地区の平本直靖氏(ツーリスト中部)は、多和田友彦氏(多和田紙工)と共に「災害用段ボールベッド がんじょう君」と「段ボールパーティション」を共同開発しました。
個人客から団体客までツアー商品を販売する旅行代理店を営む平本氏には全く関係がない今回の製品ですが、近年、自然災害が多いことや、普段から仕事で関わりのある市役所などの行政職員の方から相談を受けたことをきっかけに、新商品の開発、販売の商事部を立ち上げ、スタートしました。
3月以降、同社には新型コロナウイルス感染症の流行に伴い旅行のキャンセルが相次ぎ、売上げのほとんどがなくなってしまいました。そんな中、平本氏は自身のつながりを活用して備蓄用缶詰などの防災グッズやマスク、消毒液、非接触型体温計を仕入れ、販売して売上げを確保するなどし、当初の危機を乗り越えました。
地域社会のために
しかし、それらの品薄状態も緩和され、一方で感染者数は依然として高い数字で推移しています。「Go To トラベル」で個人客はやや戻り始めているものの、団体客からの予約は少なく、以前の売上げからは程遠い状況で、先行きは未だ不透明です。
同社の経営理念は「感動・自立・共育」で、日頃から「お客様へ感動・喜びを提供することを追求する」、「地域の方々から頼られる存在として、地域社会と共に成長する」ことを目指しています。経営理念に立ち返り、地域のために何ができるか考え、今回の新たな商事部事業に結び付いたといいます。
皆の目に触れる商品を
今回、設計・製造を担当した多和田氏は、多和田紙工とは別で北名古屋市にある段ボールを主とした包装資材の製造会社の社長を務めています。昨年、同社をグループ会社にし、様々な課題はあるものの、社員は真面目で、多和田氏は同友会で学んだことを実践し、先の見える会社づくりに励んでいます。段ボールで子ども用の机を製作したり、展示会に出展したりと、自社商品の開発にも注力してきました。
今回の共同開発品は、梱包に使用される普段の商品とは違い、自社商品が役立っていると実感しやすいため、社員のモチベーション向上につなげたいと多和田氏は話します。
改めて「仲間と共に」
この危機でも、会員企業と共同で新たな事業に取り組むことができたのは、ひとえに同友会で「知りあい、学びあい、励ましあう」活動を行ってきたからだと、平本氏は語ります。また多和田氏も、同友会らしい企業づくりを目指して真摯に会活動に参加し、交流を広げてきたことで、今回の依頼も喜んで引き受けたといいます。
引き続き、仲間と共に「なんとしても生き残る」活動をしていきたいと、今後の抱負が述べられました。
【文責:事務局 橘】
鶴ヶ崎鉄工が初代チャンピオンに輝く
~「くだらないものグランプリ」に会員企業10社が参戦
町工場の技術が集結
モノづくりのプロたちが、自社の技術を駆使して「くだらない1品」を製作し、日本一を決定するコンテスト「くだらないものグランプリ」が11月3日、オンラインにて開催されました。主催はモノづくり企業の有志で集まった「俺らFactoryMan」です。
同グランプリは、コロナ禍の混沌とした世の中の暗い空気を「笑い」と「技術」で吹き飛ばしたいという想いから企画されたもので、これまで日本の産業を支えてきた町工場20社が参加。各社が高い技術力を活かして本気で製作した「くだらなくて笑えてしまう1品」をエントリーし、「くだらないもの日本一」を競いました。
愛知県、岐阜県、大阪府、富山県から参加した中小企業20社のうち、10社が愛知同友会の会員(サン樹脂、ダイワ化工、蒲郡製作所、三洲ワイヤーハーネス、竹入製作所、東洋金属、グランツ、榊原工機、鶴ヶ崎鉄工、鬼福製鬼瓦所)でした。
モノづくりで笑顔に
参加企業のプレゼンテーション動画を見て投票する10月下旬からの事前投票と、開催当日のライブ配信を視聴して投票する決選投票があり、総合で一番多くの票を獲得した企業がチャンピオンとなります。
そして栄えある初代チャンピオンに輝いたのは、鶴ヶ崎鉄工(豊川・新城・蒲郡地区)でした。出展作品は、製品づくりの際に出る切粉を使用して100分の1スケールで作ったミニチュアの社屋で、畑の作物や本、刷毛、木なども切粉で作成されていました。
日本一くだらなくて面白い、素晴らしい製品を製作した社長の鶴ヶ崎兼也氏による優勝コメントを紹介します。
こんなに盛大なイベントになるとは思いませんでしたが、コロナ禍の中、20社の仲間たちと、モノづくりで多くの方に元気と笑顔を届けられたと思います。
初代チャンピオンとして、とても光栄です。これからもモノづくりを通じて、地域の活性化に貢献できたらと思います。
【文責:事務局 服部】