活動報告

ダイヤモンド部会「自分の歴史と出会い」(11月24日)

第2の人生

江尻 富吉氏  信濃工業(株)

障害者雇用の想いを語る江尻氏(左奥)

人は人の中で磨かれる

11月のダイヤモンド部会では、信濃工業会長の江尻富吉氏に報告いただきました。

江尻氏は、大学時代に同級生2人と会社を興しました。江尻氏の考えの軸には「人を生かす経営」があります。社員が50名以上になって組織が複雑化し、社員の様子が見えづらくなったことで、これでは「人間尊重の経営」から離れていくと思い、同社は2社に分社しました。

これまで様々な団体、活動に参加してきた江尻氏。出会った人から、人のためになることは苦労を厭わず行うこと、感性で生きること、陽明学に教育論等、生きる上で大切なことや、自分とは全く異なる考え方を教わったといいます。

発達障害のある次男の育児に積極的に関わるようになったのも、(福)あさみどりの会前理事長の島崎春樹氏に「なぜ子どもに関わらないのか。父親の会に参加して自分を見つめ直せ」という助言をもらったからだといいます。そこから同友会の障害者自立応援委員会へ参加し、人を生かす経営の追求につながりました。

働く喜びで人は働く

人を生かす経営を学ぶ中で、江尻氏はなぜ人は働くのかを考えました。もちろん生活にはお金は必要だが、生きる中で人が真に求めるものは、やりがいや生きがいではないか。「お金ではなく、働く喜びが人を働かせるのだ」と気づいたといいます。

誰にでも生きる権利、喜びを得る権利がある。委員会の活動を通して、障害者にも働くことはできるはずだと考えるようになり、障害者雇用を始めました。現在、同社では2名の障害者に加え、ベトナム人の新卒社員も一緒に働いています。

「いろいろな人に出会い、学び、私の人生を大きく変えてもらいました」。そう結ぶ江尻氏からは、人から学び、自らの行動を変えてきた生き様が垣間見えました。

「人は、何人の人と出会い何人の師匠がいるか、自分が人と向き合うとき、能力、性別、年齢で差別していないか、である」。