活動報告

第20期役員研修大学 第7講座「地域づくりの担い手として」(11月18日)

人間らしく生きられる社会を目指す

城所 真男氏  重機商工(株)

日々の経営から同友会運動を考える

第20期役員研修大学・第7講座、城所真男氏の報告を紹介します。

中小企業家が社会を動かす

同友会3つの目的の1つである「よい経営環境をつくろう」とは、社員やその家族、地域の人々の幸せを実現するために、1社では解決できない課題に声を上げ、中小企業の経営環境を改善する運動です。

2000年に始まった金融アセスメント法制定運動では、中小企業への融資の実態(貸し渋り・貸し剥がし・連帯保証等)を変えるべく、全国で学習会と併せて100万名を超える署名を集め、国会に提出しました。その結果、制定には至らなかったものの、金融機関の融資指標が大きく変わったのです。

また、その後の憲章・条例制定運動では、中小企業政策の行動指針を示す「中小企業憲章」が2010年に閣議決定されました。現在、全国の自治体で、中小企業の位置づけ・関わりの方針となる「中小企業振興基本条例」が制定され、地域の様々な主体が問題を共有し、「どのような地域をつくるのか」を「自分ごと」として考える土台となりつつあります。

根底は同友会理念

全国の同友会会員数は、現在4万7000名超。会員企業の売上総額は16兆円と、売上高で日本第2位の企業に匹敵します。私たち中小企業家が結束すれば、それだけ大きな力が生まれ、社会を変えられるのです。

同友会理念の1つである「自主・民主・連帯の精神」には、「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる」という意味が込められています。会員一人ひとりが地域の人や自分の仕事を愛し、様々な人と共によい地域づくりをしていく。そのような人間社会の営みの1つとして中小企業の社会的役割があると考えて経営をしたら、安心・安全で持続可能な世の中になっていくと思います。

そのためにも、まずは自分が地域づくりの担い手であると自覚し、どのような地域であれば人間が人間らしく生きられる社会となるかを1人の経営者として考えることが大事だといえます。