活動報告

第21期共育講座 第1講座(7月15日)

社員との信頼関係を築く出発点

吉田 幸隆氏  エバー(株)

経営者と社員が共に会社をつくっていく

第21期社員と学ぶ共育講座(18社、60名が参加)が開催されました。第1講座で行われた吉田幸隆氏の報告を紹介します。

経営者の責任とは

自動車部品を製造する弊社では、多国籍な社員が100名ほど集まり活躍しています。

2016年に設立から50周年を迎え、そこで打ち出した2020ビジョンでは、社員が安心して働くことができる会社にしようと「あいち女性輝きカンパニー」、「健康経営優良法人」の認定も取得しました。

また、社員とのコミュニケーションツールとして、同友会の企業変革支援プログラムを活用しています。

人を生かす経営とは、労働に誇りと喜びを持ち、働くことを通じて人間らしく生きることを目指すということです。人を大切にするだけではなく、経営者自身が経営理念を確立し、社員と共に経営指針を作成していくこと。そして労働環境の整備を行い、自己実現できる会社を経営者と社員が一緒につくっていくことが求められます。

今年5月には、「2030エバービジョン」を発表しました。弊社も最初から社員と深い議論ができていたわけではありません。意識的に会議の場を設け、会社全体でどう実現できるかと確認してきました。社員から「やりたいことが見つかる」「自負心が持てる」「地域とつながる」など次第に出てきた言葉を紡ぎ、ビジョンを作成できたので、引き続き全社一丸で実現を目指していきます。

問い続け、深く考える

労使見解にある「高い志気のもとに、労働者の自発性が発揮される状態を企業内に確立する」ための一例として、1985年に発表された「ユネスコ学習権宣言」があり、その中に「問い続け、深く考える権利」と記載されています。

日々の業務の中で経営者が社員の「問い続け、考える」ことを邪魔していませんか。社員の意見をしっかり受け止め、心理的安全性を担保することで、お互いを認め合う企業風土となり、結果として、生産性が向上していくと考えます。これが高い次元での団結であり、社員を最高のパートナーと考えることといえます。