活動報告

第21期役員研修大学 第2講座「同友会運動の歴史と理念(2)」(7月19日)

古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ

城所 真男氏  重機商工(株)

これからの運動課題を話す城所氏
第21期役員研修大学・第2講座、城所真男氏の報告の概要を紹介します。

同友会運動の充実と発信

同友会運動は常に発展しています。1980年の大型間接税反対運動では、経営環境改善の研究と、他の中小企業団体や国民各階層との連携を深める教訓を得ます。96年の定時総会宣言では、地域経済繁栄のためにその社会的使命を果たすことこそ中小企業の生きる道と確認。21世紀型企業づくりと地域社会再生のネットワークづくりが進められてきました。

2000年に金融アセスメント法制定運動に取り組み、金融行政の変更など成果が生まれます。この運動が、中小企業を国民経済の豊かで健全な発展の中核に位置付ける中小企業憲章制定運動へと発展し、同友会は草案を提起。10年6月に中小企業憲章が閣議決定されました。

11年の東日本大震災を経て、再生可能エネルギー創出で持続可能な社会づくりを目指すエネルギーシフトを進めます。さらに日本経済の望ましい発展方向を示す「中小企業家の見地から展望する日本経済ビジョン」を提起。その実践に取り組んでいます。

本質を掴んで実践

同友会の憲章草案には地域経済振興と雇用、仕事に誇りと喜びを持てる環境づくりなど、企業と社会づくりにおける10の指針があります。当社もこの指針に沿って取り組み課題を掲げ実践しています。

「古人の跡を求めず、古人の求めたる所を求めよ」という言葉があります。先人の偉業の抜け殻を追い求めるのではなく、古人の理想としたところを求めよという意味です。同友会の歴史を学ぶことは単に言葉の意味や出来事を知ることではなく、その哲学や思想を深く考察し企業づくりで生かすことが大切です。

同友会の歴史は、人間が人間らしく豊かに生きることのできる社会づくりの追求です。最新の世界幸福度ランキングで日本は56位です。この幸福度を上げるための5つの基本条件が示されていますが、私たちはこれらが実現可能となるよう、企業活動をデザインし、実施していかなければなりません。