丹羽 昭夫氏 (有)宝製作所
第21期社員と学ぶ共育講座(18社、60名が参加)第3講座が開催されました。丹羽昭夫氏の報告を紹介します。
長期的な視点で採用活動を
弊社は父が1964年に創立し、現在18名の社員と共に金属部品加工を行っています。22年前に父が病で倒れ、私は34歳で経営者になりました。
当時10名ほどの社員がおり、平均年齢は50歳でした。採用に関しては、退職者があればその穴を埋めるように採用しており、年齢も経歴もバラバラで、社員同士の人間関係を築きにくかったと思います。またベテラン社員が多く、職人気質で個人が頑張るという会社風土が根付いていました。当然、会社の将来について話し合うことができず、一体感がなかったことを覚えています。
2008年に経営指針発表会を行い、翌年から社員の世代交代を目的に新卒採用を始めました。人が育つには非常に時間がかかるので、長期的視点に立って採用活動に取り組まなければなりません。
目指す姿を共有する
新卒や中途採用で若い社員が増え、平均年齢が35歳まで下がりました。次第に先輩後輩の関係ができ、社員が育つ風土が形成されてきたため定着率も上がり、社内に一体感が生まれ始めました。弊社は2交代制で現場を回しており、コミュニケーションを取りながら後工程について話していくことが、一体感の醸成に役立っています。
最初の経営指針発表会で掲げた新工場の建設。これは、当初の予定よりもはるかに大きいものを建てることになり、経営理念にある「地域貢献」をしてきたことで、行政から良い場所を紹介してもらえました。1つのビジョンを達成できたので、次に向けて動き出したいと思っています。
経営指針発表会には銀行や取引先を招いており、若い社員が頑張っている姿を見て、「今後が楽しみだ」と周りの方々が言ってくれます。会社の今後について、こうした共有を積み重ねていくことが、本当の共育だと思います。
新工場が完成すると、自社でできることも増えます。社員30名体制を目指し、今後もより良い会社づくりに努めていきます。