活動報告

第21期役員研修大学 第7講座「中小企業家が社会を変える」12月20日

木全 哲也氏  (株)三恵社

同友会運動をリードする役員への期待を語る木全氏

第21期役員研修大学・第7講座、木全哲也之氏の報告の概要を紹介します。

同友会運動は学習運動

1997年の金融危機を経て中小企業への貸し渋り、貸し剥がしが起こりました。予定していた融資を突然断られ、何が起きているのかと緊急アンケートを行いました。

会員各社の実態を調査するとともに、銀行の役割とは何か、国の金融政策はどうなっていくのか学習を重ねました。そして自身の経営について襟を正すとともに、地域社会における金融機関のあり方を提言する「金融アセスメント法制定」を要望する全国署名運動を展開。全国100万名、愛知13万人の署名達成、地方議会での意見書採択、金融検査マニュアル別冊・中小企業編の策定、第三者保証の撤廃など、金融政策の転換が実現しました。

この取り組みを通じて、問題があればまず学習し、中小企業家のエゴではなく国民や地域からの信頼を得られるあるべき姿を提言する「同友会らしい中小企業運動」を確立。現在の中小企業憲章、振興基本条例の制定、実施運動の礎となりました。

中小企業家の誇りを胸に

同友会の3つの目的は「良い会社をつくろう」「良い経営者になろう」「良い経営環境をつくろう」です。私たちは常に良い会社、良い経営者を目指してきたからこそ、胸を張って良い経営環境づくりを提言できるのです。また同友会は、中小企業家が自らの存在と社会的使命を自覚し、より良い社会のあり様を様々な地域主体との連帯で提言、実現していく運動体ともいえます。

昨今の活動は3つの目的の総合実践がなされていない、単なる経営塾に終始していないかと危惧します。社員の成長と生活の保障、いわば地域の人々の生きる場を守っているという「中小企業経営者の誇り」、私たちを取り巻く経営環境も自身の努力と連帯で良くしていく「同友会会員としての誇り」、学んだことを実践し、検証し、自身の言葉で語り広げる「運動に魂を込める役員の役割」、この3つの実践を役員の皆様に望みます。

共に誇り高い同友会運動を更に推進していきましょう。