活動報告

人を生かす経営推進部門 第6回「労使見解」を深める学習会(3月2日)

「労使見解」の正しい理解と実践を
~同友会運動の歴史と理念

加藤 明彦氏  エイベックス(株)

全6回の「労使見解」を深める学習会最終講座で語る加藤氏

企業成長の原動力は

第6回「労使見解」を深める学習会はオンラインで行われ、「『労使見解』の正しい理解と実践を」と題してエイベックスの加藤明彦氏より報告いただきました。

同友会運動は、「3つの目的」を掲げ「自主・民主・連帯」の精神に立ち、「国民や地域と共に歩む」姿勢を貫き、その創造的実践によって時代とともに発展を遂げてきました。1975年、「中小企業における労使関係の見解(労使見解)」が発表されました。

労使見解の誕生には、戦後の大企業に偏った経済政策を是正し、中小企業の「存立と発展」「社会的地位の向上」を求める運動をしてきたという背景があります。(1)特定の政党に偏らない、(2)多数の自由な意見を交換する、(3)特定の政党や団体に経済的に依存しない、(4)民主的運営に努める、というベースとなる考え方が今の同友会へと受け継がれています。

経営者 1人ひとりの自立に重きを置き、1つの政党に偏らない代わりに、政治にはしっかりと関心を持ち、矛盾のある政策には声を出していこうと決めました。

過去の体験から学んだことは、中小企業の自主的な努力と団結の力で自覚を高め、中小企業を守り、日本経済の自主的で平和的な発展をめざすことです。現在、ロシアとウクライナの問題を抱えている世界を見ても、平和でなければ「中小企業の発展はない」と断言できるといいます。

「労使見解」は常に私たちに、経営者としてのあるべき姿を問いかけ、労使関係の創造的発展こそ企業成長の原動力であることを示し続けています。報告の中で加藤氏は、「同友会の本質は『労使見解』にあり」と述べています。同友会会員になって29年、常に主体者として不離一体で自社経営を考え、「経営指針」を全社員と共有するために浸透させていくことが、最大の共育だと確信しています。

人を生かす経営

社員の幸せを考える

学習会には会歴10年以上の会員が多く参加しました。

「理念でメシが食えるのか」の言葉の本質は、経営指針書の中に社員の行動までが描けているか。そして、社員を巻き込んで方針・計画を作成し、月次のフォローを社員とできているか。その過程で社員の成長が図られ、生きがい・働きがいが生まれ、喜びと誇りを持って働ける企業風土がつくられます。その結果として「メシが食える」のだと加藤氏は言います。

また、経営者自身が経営姿勢を正していくことで、生産条件〔生産を豊かにする〕から生存条件〔人間らしく生きる〕へと次元が変わる大きな一歩につながっていくと述べられました。「会社が儲かれば社員は幸せになる」ではなく、社員の幸せを考えて経営してこそ会社が発展するのです。

いつまでも経営指針書が「上から目線」の指示書では、本当の意味での労使の対等な関係は築けないと考えます。エイベックスも2030年ビジョンに向けて、歴史からひも解いて作成しているとのことです。

最後に、「今こそ『労使見解』を正しく理解し、各企業経営での実践が求められている」とまとめられました。