活動報告

どうゆうき

▼同友会が掲げる「人間尊重」は、誰でも同じ人間だという基本的な理念です。人は誰でも幸せに生きたいと願う。その幸せの1つが働くことであるなら、働く環境を整えることが経営者の役割です。私は育児で社会から取り残されたと感じた経験も相まって、「生きることは社会とつながること、その一番の方法は働くこと」と考えるようになりました

▼自社は精密部品のベアリングを組み立てています。求人難に陥った20年ほど前、地元の特別支援学校に相談し、実習から始め、今は社員48名のうち13名が障害のある社員です。自分のことで精一杯だった知的障害のMちゃんは、いつしか周りを気遣う心が育っていました。自閉症のY君はフォークリフトの免許取得に挑戦しましたが、実技試験で緊張して壁にぶつかり、障害があるから危険だと講習先から断られました。悔し涙を流すY君と一緒に涙し、次の目標を話し合いました。こうした社員との毎日に、自分の「人間尊重経営」が揺らいだり、育ったりしてきました

▼愛知同友会は創立当初から障害者との関わりを持ち、全国の同友会に先駆けて障害者問題委員会を発足させました。各委員会の運動は愛知全土に広がっていますが、障害者の取り組みは、やり残した課題の1つと言えます。来年の秋、四半世紀ぶりに愛知で障害者問題全国交流会が開催されます。この運動には「涙」と「笑い」と「怒り」と「感動」があります。愛知同友会全体でその経験を共有し、人間尊重の時代を創る確かな歩みを進める機会にしたいと思います。

障全交実行委員長  小出 晶子