活動報告

第22期社員と学ぶ共育講座 第1講座(7月22日)

社員との信頼関係を築く出発点

大野 正博氏  (有)中部製作所

社員との信頼関係が中小企業発展の底力になると語る大野氏

第22期社員と学ぶ共育講座・第1講座を開催しました。大野正博氏の報告を紹介します。

関わり方の変化

弊社はねじ類の販売や機械締結部品の製造販売をしています。社員数は43名で、うち65歳以上の社員は8名、外国人の社員も4名在籍しています。

私は1986年に入社し、93年に同友会へ入会しました。その後、2006年に代表取締役に就任しました。

私の大きなターニングポイントは代表就任前後のことです。営業部長として毎週売上げ会議を行い、社員の行動を管理していました。私自身、社内で一番の売上げを立てる営業マンとなり、指示したことを社員がよく聞いてくれるようになりましたが、同友会の会員から「お前は何がしたいのか。イエスマンの社員をつくりたいのか」と指摘され、考え方が変わりました。

また、同友会で役を受けると会社を空けることが多くなり、仕事は社員に任せなければなりません。それまで指示を出していたことを、お願いしてやってもらうこととなり、社員への声掛けが指示から感謝の言葉へと変化してきました。

それから理念型採用も学び、中小企業だからこそ「人」で勝負することを学びました。経営理念には、事業ドメインをあえて記載していません。企業は人のためにあり、そこで働く社員が成長し、幸せになるための場だと思っています。社員の質が向上すれば会社の質も向上するという考えから、キャッチフレーズでもある「一流の“社会人”を目指す中部製作所」を基に、1人でも多くの一流の社会人を育てたいと考えています。

正しい労使関係が結果につながる

私は役職が人を育てると考えています。社員が役職に就くと、主体性が表れ、自分で考え、行動が変わります。役職をお願いするためにも、経営者と社員の信頼関係が大切で、それこそが中小企業発展の底力になります。

ある大学の教授が「組織の成功循環モデル」を提唱しています。成功のP(思考の質)、D(行動の質)、C(結果の質)、A(関係の質)は、「関係の質」から始めることで「結果の質」が向上していくことを体験しました。

関係の質とは、同友会の目指す人間尊重経営のことで、社員との信頼関係を指します。経営者の姿勢を正し、社員と正しい労使関係を構築していきましょう。