活動報告

ダイヤモンド部会(1月26日)

公正な税制を求めて

戸谷 隆夫氏  新大和税理士法人 名古屋事務所

社会正義を考える戸谷氏

同友会と共に歩む

1月例会では税理士の戸谷隆夫氏に報告いただきました。戸谷氏は同友会で(1)経営の学び、時代の学びを得て顧問先に還元する、(2)学んで自事業所を変える、(3)同友会を運動体として、おかしいと思ったら声をあげることに取り組みました。「あなたは立派なことをやっている。しかし後継者はどうするの?」と同友会仲間に問われ、個人事業主の限界と弱点に気づきました。縁あって理念を共有する人と出会い、法人化・他事業所への合流を行いました。

公正性を求めて声をあげる

戸谷氏が(3)「声をあげる」を学んだのは、2003年に「法人事業税の外形標準課税」という税制案が出された時です。会員との議論を通して「おかしいと思うならそういう運動としてやっていこう」と同友Aichi記事を複数人で交代で執筆。この税制は結果、中小企業には適用されずに、資本金の規模で設定されました。その後も悪法と考えられる法案に対する反対運動を行い、主張の正当性の理解を学びながら広げることが鍵であると学びました。

公正な税制とは基本的人権を実現するもの

立憲国家は法律によって罪刑や租税が定められます。法律とは社会正義の実現のためのものです(『法とは何か』渡辺洋三、岩波新書、1998年)。では社会正義とは何か。戸谷氏が同友会で学んだのは「人が人として暮らせる・働ける、人間らしく生きられるようにすること」。ここから基本的人権の実現に資する税制こそが公正だといえると考えるようになりました。

声をあげる今日的な例として、障害者就労支援施設を営むゆたか福祉会と戸谷氏が一緒に取り組む人権裁判が紹介されました。B型就労支援施設で働く人が受け取る工賃が社会福祉事業のサービスの一環として消費税の課税仕入れとして認めないことに、障害者の働きは労働だと認めるべきものであり、施設からのサービスではないという主張で裁判をしています。

声をあげることが社会を変える力になることを感じる例会となりました。