活動報告

名古屋第4支部合同例会(1月24日)

「使いものにならない」それはあなたのことですか?
~初めて障害者雇用を経験して

鈴木 学氏  スズキ&アソシエイツ(株)

鈴木氏が社員に伝えた「障害者雇用をする目的と意義」の一部
鈴木氏が社員に伝えた「障害者雇用をする目的と意義」の一部

12人に1人が障害者

名古屋第4支部合同例会は障害者雇用をテーマに開催しました。西尾地区のスズキ&アソシエイツ代表取締役の鈴木学氏から障害者雇用の体験報告をいただき、支部長の松村祐輔氏に障害者問題に関する課題整理をしていただきました。

日本国内の障害者数は国民の8%、963万人で、12人に1人の割合です。障害者の方は身近にいるという認識が前提となります。人権尊重の観点や人を生かす経営という意味でも、私たちは障害者問題に取り組む必要があります。ただ、一足飛びに障害者雇用でなくても、関わり、関心を持つことから始めてもらえれば良いと、松村支部長より話がありました。

鈴木氏は初めての障害者雇用について、コミュニケーションに難がある男の子で、雇用前に倉庫での作業を実習してもらったといいます。社員に様子を聞くと、問題ない口ぶりでしたが、実は「何度教えてもできない、使いものにならない」と現場からは不満が出ていて、採用にも後ろ向きだったそうです。それを知った鈴木氏は、「使いものにならないのは君たちだろう」と言いそうになるくらいショックを受けました。

互いの違いを認め助け合える風土に

冷静になった鈴木氏は、障害者雇用をする意義を社員に伝えきれていないと考え、朝礼でその場を設けます。人にはそれぞれ得意なことや苦手なことがあり、それは健常者でも障害者でも変わらない。その違いを互いに認め合い、助け合えるような風土にしたいと語ったそうです。障害を持つ彼が入社すると社員も協力してくれ、徐々に彼も職場に慣れてきて、仕事に対して前向きに頑張ってくれているといいます。

鈴木氏は障害者雇用を通じて人を生かす経営をする覚悟を自分に問い続けています。社員に多様性を認めるように言うが、自分は社員みんなの違いを認めているか、自分の姿勢をまず正さないといけないと話します。

今例会で障害者雇用はとても身近なテーマであると気づき、自社で何ができそうかをイメージしながら聞きました。知ることは大きな一歩です。10月の愛知での障全交が多くの会員の意識改革の機会となることを期待します。

(株)オムニツダ  津田 康行