活動報告

障害者自立応援委員会「人間性を語る夕べ(8)」3月10日

見えてきた未来の光

岩山 佳代氏  (株)ダイプラン

従業員と共に(前列左から4人目が岩山氏)

障害者自立応援委員会は、人間性を深く学ぶ委員会として、会員の人生観から学び合う「人間性を語る夕べ」を開催しています。経営の「人間性」が最も集約されると話題になり、自らの課題に気づく場となっています。

どうしようもない内弁慶

ダイプランは、岩山佳代氏の父親が大喜工務店として創業した土木・建築工事の会社です。岩山氏は、子どもの頃からさまざまな過去を持つ従業員たちが、世間から冷たい目で見られていることを察知し、会社や従業員を守るのは自分しかいないと心に誓っていました。

しかし青年期に起きた衝撃的な出来事をきっかけに、世間に対する岩山氏の不信感はさらに募り、人との関わりを避けるようになります。22歳で入社し、8年後に同友会に入会しますが、周囲への警戒心は強く、どうしようもない内弁慶であったと岩山氏は振り返ります。

180度の転換

入会後1年が経った頃、経営に不安を抱いた岩山氏は、当時地区会長だった松村祐輔氏の会社を訪ねます。決算書を見せると、急遽、税理士の会員を交えた「緊急経営会議」が開かれ、「膿を出す程度じゃダメ。メスを入れ血を見る覚悟で」と叱咤激励され、スイッチが入りました。

自社の経営課題に真剣に向き合ってくれる先輩たちと出逢い、眠っていた本来の自分が引き出され、抵抗感があった経営指針にも着手し、未来という光が見えてきました。

ある時、職を転々としてきた従業員が、「この会社が一番長い。大喜(現・ダイプラン)に来てよかった」と話してくれたことが、心底嬉しかったという岩山氏。かつて従業員の9割が日給を望んでいましたが、今は9割が月給で、従業員が自らの意志で働き方を選ぶことに尊さを感じているといいます。

人は人との出会いで変わると身をもって体験した岩山氏は、どの人も生きる権利、夢見る権利があると、揺らがぬ価値観を持つようになりました。「経歴や過去で人を決めつけることなく、ありのままの良さを生かし、人間らしく生きることができる会社や社会を目指し、行動していきたい」と結びました。