「同友会らしい人を生かす経営」を学ぶ
小出 晶子氏 TIY(株)

誰もが働ける工夫を
今回は、障害者問題全国交流会の実行委員長を務める小出晶子氏より、自社で取り組んできた障害者雇用の実践報告と併せ、同友会がなぜ障害者問題を取り上げ人間尊重経営を目指すのかについてお話しいただきました。
TIYは現在、正社員8名と障害者13名を含むパートタイマー40名で、ベアリングの組み立てなどを主な事業としています。同社では、ベアリングに必要な数のボールを一度ですくえる器具や、簡単に製品の裏表の検査を行える機械などを独自に設計・製作し、健常者でも時には間違える作業が、障害者でも正確に行えるようになりました。また、多能工ではなく単能工化を進め、複数の障害者が協力することで、健常者と変わらぬ成果を上げています。
「働くこと」で社会とつながる
人間尊重経営について小出氏は、経営者として「働きたい気持ちを応援する会社でありたい」と話します。誰もが生きていく上で「褒められたい、認められたい、役に立ちたい」という欲求がある。生きるとは社会とつながることであり、その早い方法が「働くこと」ではないかということです。紹介された動画で、「この会社で仕事をするのがとても楽しい」と話す障害者の社員の姿が印象的でした。
グループ討論では各社の障害者雇用の現状について率直に意見を出し合い、業種や環境により障害者を雇用することが難しくても、経営者として何らかの関わりを持つことを意識し行動することを確認しました。
「一社一人関わる」愛知モデルを各組織へ展開することで障害者雇用を学び、「同友会らしい人を生かす経営」を深める機会となりました。
(株)国分農園 橋本 昌博