活動報告

第23期 社員と学ぶ共育講座 第1講座(6月16日)

社員との信頼関係を築く出発点
~中小企業における労使関係の見解

加藤 明彦氏  エイベックス(株)

加藤 明彦氏

第23期社員と学ぶ共育講座(24社、75名が参加)が開催されました。第1講座で行われた加藤明彦氏の報告を紹介します。

中小企業にとって「人」は最大の資産

企業の経営資源は一般的に「ヒト・モノ・カネ」といいますが、中小企業にとって「人」は最大の資産であり、社員1人1人の人生における「生き様」が中小企業の価値を生みます。

同友会は、経営者と社員がどのように向き合うのかを深める経営者団体であり、そのためには日々の企業活動のなかで社員との対話(コミュニケーション)は不可欠といえます。同友会の『人を生かす経営~中小企業における労使関係の見解(労使見解)』に書かれていますが、「経営者は『中小企業だから、なにも言わなくても労働者や労働組合はわかってくれるはずだ』という期待や甘えは捨て去らねばなりません」し、そうでなければ経営者が自らの経営責任を果たしているとはいえないのです。

社員との信頼関係を築くには

会社の経営の目的は「人づくり」にあります。一度しかない人生のなかで、社員が潜在能力を開花させ、自身の成長を感じることが、やりがいや生きがい、そして誇りと喜びを感じること、社員自身の豊かな人生につながります。私はこのように社員の幸せについての考え方を「生産条件(生産を豊かにする)」から「生存条件(人間らしく生きる)」に変えました。

そして、中小企業経営において一番大切なのは、「何のためにそれをやるのか」と会社経営の目的を社員に伝え続けることです。そうすることで、社員自身も自分の役割は何かと、自身の存在価値に気づき、どのように頑張ればよいのか、考えることができるようになります。

中小企業において、最大の資産である「人」を育てるのは、他の誰でもなく「経営者」です。そのために経営者は学び続け、社員と信頼関係を築き、相互に刺激を与え・与えられる、共に育つ関係づくりを進めていきましょう。