活動報告

障害者自立応援委員会(8月8日)

ここから物語が始まる
~障害者雇用の実践報告

村田 直喜氏  (株)MRT
近藤 幸子氏  名古屋市立守山特別支援学校

「挨拶」で表彰される社員(左)と讃える村田氏

自然に身近な存在に

金属部品切削加工を営むMRTの村田直喜氏が障害者問題委員会に参加し始めたのは入会1年後の2013年でした。当時は障害者雇用の話が少し重く感じましたが、障害者問題の取り組みは「人間尊重経営の背骨である」と耳にし印象に残ったそうです。

村田氏は委員会のバリアフリー交流会に毎年参加し、屋台の玉せんブースを担当。障害のある人たちと触れ合う中で、自然に身近な存在になっていったといいます。

2016年、経営指針書の10年ビジョンに初めて「障害者の就業体験受入」を明記しました。その後、毎年受け入れながら経験を積み重ねていきます。並行して、工場の移転・拡張、社員の増員、仕事の確保と着実に基盤を固め、今年4月に特別支援学校の卒業生O君を採用しました。

向上心を支える

進路指導の近藤幸子先生が同社での採用を願うようになった理由は3つです。(1)長い目で成長を見守ってくれる社長。(2)社員が互いに尊重し、相手をばかにしない社風。(3)問題が起きた時、O君のせいにせず、具体的に現場の声をリターンしてくれること。

村田氏は、問題が起きると社員にヒアリングし、「誰がどういう場面で何に違和感を持ったか」を先生に伝え、学校側は適切に指導ができたそうです。変化、成長するO君を社員たちも見守りました。

採用後、O君は挨拶で表彰されました。学校の同窓会でその話が出ると、O君を囲む同窓生たちから歓声が上がったといい、その時のO君の誇らしげな顔は先生も「初めて見た」とのことでした。

社員の向上心や誇りを支える経営者であろう――「1社1人関わる・愛知モデル」の精神を確認する例会となりました。