活動報告

障害者自立応援委員会(2月13日)

ここから物語が始まる
~「1社1人関わる」私のステップ

坂 光造氏  (株)エス・ユナイテッド

エキシビションマッチでガラス拭きの腕前を披露する生徒たち

「物語」の始まり

報告者の坂光造氏が、人生で初めて障害者と密接に関わったのは2005年からです。幼稚園に通う長男の親友で発達障害のあるH君と出逢い、その成長を成人までずっと見守り続け、その時間のすべてが「関わりの物語」だったと坂氏は振り返ります。

エス・ユナイテッドはビル清掃などを事業とし、170名の社員が50カ所以上の現場で、年中どこかで誰かが働いている会社です。先代から継承した当時は経営を安定させることに必死だった坂氏は、同友会入会後、2015年「障害者雇用の集い」に参加し、初めて企業の責任を考えさせられたそうです。

今、自分ができること

坂氏は早速、障害のある生徒の実習受け入れに手を挙げましたが、受け入れは簡単でなく、お客様の承諾を取り付けるまで、実習の意義などを伝え、粘り強く交渉したとのことです。ようやくスタートした実習でパート社員が懸命に教える様子を見て雇用を試行錯誤しますが、お客様の理解、毎日違う立地への通勤、パート社員の雇用の不安定さなど、ハードルの高さに一旦断念しました。

坂氏は今の自分にできることを考え、清掃業界に「1社1人関わる運動」を広めようと一念発起。まず始めたのが守山特別支援学校のボランティア清掃です。学校や生徒たちのことを知ってもらおうと、業界の企業から職人を募りました。翌年、生徒たちの清掃体験を提案すると、学校から授業として行いたいと申し出があり、現在は毎年授業として清掃体験を実施。業界の大会ではエキシビションマッチを企画し、生徒の腕前を披露する場を設けています。また、学校での講義活動を行い「社会人として必要な力」を生徒たちに伝え、働くことへの希望に応えられる環境づくりに取り組んでいます。