活動報告

障害者自立応援委員会(3月5日)

障害のある子どもたちの実習受け入れについて知ろう!

神谷 真吾氏  愛知県教育委員会 県立特別支援学校就労アドバイザー
吉田 幸隆氏  エバー(株) 代表取締役

工場内で実習生(左)にレクチャーする社員

同友会では障害者との関わりの1つとして、会員の皆さんに特別支援学校の生徒たちの就労体験受け入れを広めています。今回は、学校と企業の体験報告と質疑応答で理解を深めました。

学校側から

報告者の神谷真吾氏は、就労アドバイザーとして特別支援学校の生徒たちの一般就労をサポートしています。愛知県内には5名のアドバイザーがおり、職場開拓を行い、県立特別支援学校に情報をつないでいます。

特別支援学校には知的障害の生徒が多く、周囲の力を借りながら、できることを増やすよう頑張っています。生徒たちがうまくできない時、「努力が足りない、やる気がない」と、精神論で解決することはできません。目が不自由な人に「なぜ見えないの?」と言わないのは、自分でも想像できるからです。一方で、知的障害は目に見えないため勘違いが起こりやすく、障害を理解すれば対応は変わると神谷氏は話します。

いろいろな人が気持ちよく働ける職場が障害者雇用にも通じます。「まずは、生徒たちのことを知るために学校に見学に来てください。実際に会社で働けるかどうかを見極める就労体験に、多くの企業のご協力をお願いいたします」と呼びかけられました。

企業側から

エバーの吉田幸隆氏からは、自社での体験を報告いただきました。障害者の法定雇用率引き上げを背景に、同社は社風の改善をめざして障害者雇用に取り組んできましたが、障害者に対してお客様扱いになったり、誰かがやるだろうと傍観者的な雰囲気があったりしたといいます。

2022年、地域の特別支援学校から同社に話があり、高等部2年の生徒を実習で受け入れました。まず学校の先生が会社を見学し業務内容を確認、次に生徒と保護者が見学に来て、実習をすることに決まりました。カリキュラムは新入社員2名が作り、実習を我がこととして捉えることができたといいます。

2週間の実習で、実習生を見守り支える雰囲気が生まれました。実習生は昼休憩に社員とコミュニケーションをとることで、苦手な報連相ができるようになり、双方にとってよい影響が見られました。

障害者雇用を通じてもっとこのような雰囲気を広げたいと、仕事の細分化を検討し、社員と一緒に特別支援学校や施設、雇用企業を見学し、雇用のための課題を明確にしました。同社には多様な国籍の社員も多いため、今後は「お互い様の風土」をめざそうと展開しているそうです。