未来の見える企業づくり(経営指針)
津田 康行氏 (株)オムニツダ
第24期社員と学ぶ共育講座・第2講座が開催され、津田康行氏が経営指針の実践を中心に報告しました。その概要を紹介します。
自分は良い社長?
弊社は木材の専門商社として海外から木材を輸入し、ウッドテープの製造を事業としています。社名には、社員の個性、得意技を持ち寄ったオムニバス(乗り合いバス)にしたいとの想いが込められています。
創業者である父から事業承継した当時は、自分のことを人に優しい経営者だと思っていました。しかしながら、社員の退社が続くなど苦労が多く、同友会の経営指針作成道場編に参加し、経営理念の成文化に取り組みました。
その際、自分自身が人生で一番うれしかった出来事を思い返すと、子どもの誕生でした。わが子の幸せを願うのと同様に、社員も誰かの大切な子どもであり、社員の人生を大切に、幸せにしたいとの思いに至り、経営姿勢の確立につながりました。それまでの、2代目経営者として会社をつぶさないために社員に働いてもらうという価値観から、その事業が社員の人生を豊かにできるかどうかで判断するように変化してきたのです。
経営指針の実践に必要なこととは
経営指針には、経営理念、ビジョン、方針、計画があり、経営理念の考え方がそれぞれに一気通貫していることが重要といえます。指針は社員と共に作ることが重要で、部分的にでも社員と共に作成することで「やらされ感」をなくし、社員自ら考えることにつなげていきます。当社では、次代を担う30代の中堅社員と毎月ミーティングを行い、ビジョンを作成し、次の10年後を展望しています。
経営指針の実践には正しい経営方針と好ましい企業風土が必要であり、企業風土の醸成には経営者と社員の信頼関係が不可欠です。現在、経営環境が目まぐるしく変化しています。この状況を乗り越えるため、共通の価値観(経営理念)を基に社内で危機感を共有し、指針のPDCAを回し、先を見据えた企業経営を一緒にしていきましょう。