「私たち元気に働いています!」
特別支援学校の生徒や教員が職場訪問

中小企業の現場を見学
特別支援学校を卒業した先輩たちが働く現場を見学する1日職場体験を、稲沢地区のTIY(株)(小出晶子社長)で行いました。
目的は、障害者との関わりの一歩となる「バリアフリー交流会」の後に、特別支援学校の生徒が実際の現場を体験すること、また、先生や保護者に中小企業の現場を知ってもらうことです。
当日は生徒25名とその保護者、教員11名、同友会会員5名の計60名が参加しました。昨今は一般の学校の中に特別支援学級が増加しており、参加した支援学級の先生からは、低学年から企業見学や仕事体験をすることが非常に重要となることを教えていただきました。
同社の現場の特徴は、障害のある人もない人も一緒に同じ作業をしていることにあります。参加者には工場見学でその雰囲気を感じていただき、現場で社員の皆さんから直接仕事を教わった後、交流をしました。

働くことで人生が豊かに
小出氏が8名の社員について、それぞれの得意なこと、定着年数や成長してきた様子などをやりとりしながら紹介し、参加者との質疑応答を行いました。
まず、保護者の皆さんからは暮らしについての質問が出ました。グループホームで1人暮らしをしている知的障害のYさんは、昨年両親を亡くした悲しみを抱えながらも、しっかりと生活を切り拓いている様子に、皆が聞き入っていました。
余暇の過ごし方やお給料の使い方では、8名の個性豊かな回答に、感心したり笑ったり驚いたりしながら、働くことがそれぞれの人生を豊かにしていることが伝わってきました。
先生からの「やりがいを教えて」との質問に社員たちが戸惑っていると、「みんな、家から会社に行くとき、今日も頑張ろうって思う? 行きたくないなあって思う?」と小出氏がフォロー。社員たちがうんうんと頷き、「働くことは楽しい、会社に来たい」と答える姿から、相手の気持ちに立ったやりとりの大切さを教わる場面もありました。
教育で本当に大切なことは
保護者からの質問を通して、子どもの卒業後に大きな不安を抱いていることがよくわかり、今後も実際に働く先輩から教わること、話を聞く場を設けることを大切にしていきたいと思いました。
先生からは、「学校の指導で本当に大切なことは何かを考える機会となった。『できました』『確認お願いします』と形から入る(言わせる)より、さまざまな生活場面で多様な経験をすることが大切だと気づいた」との感想をいただくなど、生徒、保護者、教師、経営者それぞれの立場で新たな気づきを得る機会となりました。