▼私が経営指針推進本部に関わって、はや4年が経ちました。各支部主催の指針オリエンテーションや入門編講座が根付いてきています。地区により温度差もありますが、支部内に1地区でも指針熱が高いところがあれば、周りの地区へも良い影響があります。さらに支部ごとに広がれば、相乗効果が生まれると言えます
▼当社は指針発表会を行うようになって12年目を迎えます。毎年、社員を巻き込みつつ会社の行事としてすっかり定着してきました。しかし、残念ながら本当の意味で共有ができているとは言えないのが事実です。例えば理念です。「言葉としては理解し共感できるが、自分の言葉で他人に語る自信がない」という社員が圧倒的に多いのです。12年間言い続けていても社員と共有することの難しさを実感しています。しかし一方で、ほとんどの社員が経営者の考えを理解しようとしていることは、とても心強いです
▼同友会でもここ数年で指針講座の修了者が増えてきましたが、自社での実践はどうでしょうか。指針を作成しても会社が良くならないという話を聞きますが、指針書は「魔法の書」ではありません。会社の考え方や経営者の想いを示し、会社・人・仕事づくりの方針、方向性を考える中で、湧き出す課題に立ち向かうための共通の書なのです。思い通りに進まなくても、更新し続ける中で課題を明確にし、解決に向けて一体感を養っていくものです。近視眼的にならずに経営指針の作成と実践に真摯に取り組んでいただき、その考え方を広める必要があると思います。
経営指針推進本部長 山田 健雄