活動報告

AICL【仕事づくり研究会】(2月26日)

整備される特許情報

自社の持ち味を生かせるニーズを特定してから特許情報にアプローチ

自社の持ち味を生かせるニーズを特定してから特許情報にアプローチ

「開放特許」を活用

AICL(仕事づくり研究会)の2月例会が名古屋市工業研究所で開催されました。

今回は、他人が所有している特許や知的財産を活用して新商品づくりなどに生かす可能性を研究するという目的で、「開放特許」に関して、弁理士の稲葉民安氏(西地区)が報告しました。

開放特許とは、他人に使用が開放された特許の総称で、国・公設試験研究機関・大学・企業・個人と、元の保有者はさまざまです。現在、約3万5000件の開放特許を集めた「開放特許情報データベース」が国の主導で整備されており、誰でも活用できるようになっています。

しかし、「特許情報だけを眺めていても、新しいビジネスは生まれない」と稲葉氏は指摘します。

「ニーズ」ありきでこそ技術は生かせる

特許とはあくまでも「今までに無かった技術」のことであり、それを自社で事業に生かせるかを判断するためには、SWOT分析などで自社および市場状況の特徴を把握しなければできません。

稲葉氏は、自社の持ち味を生かせる「ニーズ」を特定した上で特許情報にアプローチし、市場やさまざまなコストを想定して事業計画を立てるといった、「技術屋」ではなく「事業戦略家」のモデルでこそ、特許(技術)は生かせると提起します。

企業にとって特許とは基本的に、開発した技術を市場で独占し、競業他社の参入を阻止するために取得するものといえます。稲葉氏はまた、かつてインテルがUSB端子の特許を無償開放することでPC市場が大きく広がり、のちにインテル自身がCPU市場を独占することに繋がったという「ある分野の特許をあえて開放する戦略」も紹介しました。

例会後半では、鳥越豊理事より2月12~13日に広島で開催された「中同協・企業連携推進連絡会」の報告がありました。全国各地の産学官連携グループによる仕事づくりの取り組みや、広島同友会の会員企業による、地域資源の活用や6次産業化の実践事例が紹介されました。